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2016年12月03日08:59

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第一次世界大戦(6)

三「今回はフランスのルベルM1886。世界初の無煙火薬仕様の歩兵用小銃です」
リ「今までの黒色火薬時代の小銃に比べ、最大の違いは口径8ミリと小さいことじゃ」
モ「無煙火薬は燃焼速度が速く、燃焼ガスの圧力が黒色火薬よりも高い。そのため弾丸の
  スピードが非常に速くなりました。例として黒色火薬時代の最高威力と言われたシャ
  ープス銃とシャスポー銃ですが、シャープス銃の弾丸初速は370m/秒、シャスポ
  ー銃の弾丸初速は410m/秒です。音速よりも少し速いという程度です」
マ「これに対し、ルベルM1886の弾丸初速は700m/秒。格段に速くなっている」
リ「黒色火薬時代は弾丸の口径は、どこの国の銃でも10ミリを超えていた。弾速が速く
  ないから、弾丸を大きく重くして殺傷力を高めようとしたわけじゃ」
モ「弾丸の威力は速度の2乗と弾丸の重さに比例します。速度が速ければ弾丸の重量を軽
  くしても、殺傷力は黒色火薬時代よりも大きいことになります」
マ「口径が小さくて軽い弾丸でも十分な殺傷力があるのであれば、そのほうが持ち運べる
  弾の数も増やせて良い。それと日露戦争でも書いたが、小さいほうが命中率が良い」
リ「弾速が速いから射程距離も長い。有効射程距離は1500mに達したという」
モ「まあそんな遠距離で、狙った標的を射抜ける人間はそうそう居ませんが」
マ「この銃は西部劇で有名なウィンチェスター・ライフルや、マウザーM1971/84
  などと同じくチューブ式弾倉を採用している。この方式はやがて廃れていくことにな
  ったのだが、この時期はまだその問題点が明らかになっていなかった」
リ「まあここにいる我々は全員が、トリガーのあたりに縦に弾を込める、尾筒弾倉式とい
  う方式になっとる。チューブ式弾倉は現在ではライフル銃では使われないな」
三「なぜそうなったかは、おいおい書いていくことにして。ショットガンでは現在でも、
  チューブ式弾倉が使用されていますね。まあショットシェルは大きいですからネ」
モ「このルベルM1886はフランス軍の制式小銃として、細かい改良を加えられながら
  も、第一次世界大戦でも主力小銃として使われました。その生産数は288万挺にも
  のぼりマス」

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