関東大震災後、都内に本格的な埠頭を整備するため東京港がつくられ、埠頭への物資輸送のために専用鉄道が建設されました。第二次世界大戦後に新たに豊洲埠頭の整備と共に、国鉄越中島貨物線を延長した深川線が開業します。また、進駐軍の接収解除に伴い、晴海線も開業。その後トラック輸送の普及によって鉄道の輸送量は激減、専用線は平成元年までに全廃されました。廃線跡は大半が再開発によってなくなりましたが、深川線、晴海線の遺構が僅かに残っています。
その遺構の一つが豊洲地区に残る錆びた「晴海橋梁」。豊洲側には、すぐ隣に高層マンションがそびえているため、歩いていくと唐突に出現します。立入りができないように厳重にフェンスがめぐらされているものの、護岸や隣の春海橋からその姿を眺めることができ、高層ビル群と錆びた橋梁の不思議な組み合わせは見る人に色々な思いを生み出しています。
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