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2016年09月26日13:24

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韓国、ノーベル賞で早くも予防線?「強要する風土なくせ」…発想の転換で企業家精神持てばいい

 下記は、2016.9.26 付の産経ニュース【経済裏読み】です。

                      記

 10月になると、ノーベル賞をめぐって韓国が騒がしくなる。メディアも自然科学分野の受賞者ゼロに対する原因分析、政府への責任追及に余念がない。早くも「強要する風土をなくすべき」と予防線を張る論調が出る一方で、「企業家精神を基盤とした科学が成功をもたらす」と研究者に注文をつける。研究成果の実用化が受賞につながるという考え方だ。毎年のこととはいえ、韓国の科学者たちが感じるプレッシャーは相当なものに違いない。今年はどんなドラマが待っているのだろう。

 「研究者に受賞を強要するな」の心は?

 9月初め、韓国経済新聞(電子版)に「科学の研究は好奇心から出発…ノーベル賞を強要する風土なくすべき」という見出しの記事が掲載された。宇宙船開発に期待される夢の素材「グラフェン」の研究で知られる、米ハーバード大物理学科のキム・フィリップ教授が同紙のインタビューに答えたという。

 このインタビュー記事でキム教授は「最近、韓国の科学界を眺めると否定的評価が多いが、これは外側から見れば間違った話」と指摘したうえで、「すべての科学先進国が少なくとも50〜100年の歳月をかけて発展した。科学の真の発展には時間が必要だ」と強調した。

 かつてキム教授は韓国人で最も有力なノーベル賞候補としてメディアの注目を集めたが、ほぼ同時期にグラフェンを発見した英国の研究者2人が2010年の物理学賞を受賞した。韓国国民の失望は大きく、メディアも当然のことながら、「選考委員会のミスで韓国人初のノーベル賞受賞がだめになった」と大々的に報じた。

 キム教授はノーベル賞受賞を過度に期待する母国の雰囲気を察し、インタビューでは「科学者は決していノーベル賞をもらうために研究するわけではない」と指摘。そして「スポーツ選手にいつ頃オリンピックで金メダルを取るかと尋ねることがふさわしくないように、研究者にノーベル賞を強要しないほうがいい」と強調している。

 ネイチャーの記事で批判再燃か

 そうした指摘がある一方で、韓国のメディアは毎年この時期、「自然科学分野のノーベル賞受賞者ゼロ」「日本人は21人受賞」などと騒ぎ、国民をあおってしまうようだ。

 そして今年は特に注目を集める可能性がある。

 それというのも英科学専門誌ネイチャーが6月、韓国で自然科学分野の受賞者が出ない背景を特集記事で分析し、研究開発について国内総生産(GDP)比で世界最大級の投資を行う政府に「(ノーベル賞を目指すならば)カネより大事なものがある」と批判したからだ。韓国メディアも同調し、朝鮮日報(電子版)は「野望はカネで実現するものではない」と政府などを批判している。

 さらにネイチャー誌は韓国が受賞者を輩出できない理由を基礎研究に対する長期的投資にケチなためだとも分析。「基礎科学分野で独歩的な成果を出すには数十年間長期的に多くの投資をするべきなのに、韓国は遠くを見通した投資文化が成熟していない」と強調する。

 仮に今年もノーベル賞受賞者が出なかった場合、メディアはネイチャー誌のこうした指摘を“武器”に、さまざまな角度から批判を繰り広げるのだろうか。

 いつまで『象牙の塔』に閉じこもるの?

 韓国紙、中央日報(電子版)は「ノーベル賞の話」というタイトルのコラムを定期的に掲載している。筆者はソウル大生命科学部のキム・ソニョン教授だ。

 8月30日付の記事の見出しは「ノーベル賞と企業家精神」だった。過去10年間の医学生理学賞と化学賞の受賞者計49人のその後の業績・行動などをブルームバーグのサイトで追跡調査した結果を論じている。

 それによれば、各分野で半数以上の受賞者が企業の創業者や理事、研究員といった形で、研究成果の事業化に取り組んでいることがわかった。中でも2002年に医学生理学賞を受賞した英国人生物学者シドニー・ブレナー博士は5つの会社を創業。ミミズのような小動物を使って発生遺伝学に新ジャンルを開いたことが注目されたが、それ自体は実用性がまったくない分野の研究という。それでもブレナー博士は合成新薬の開発などへの応用を目指して起業したのである。

 こうした世界の実情を踏まえ、ソウル大のキム教授は「過去20年余り、科学は産業と市場にインパクトを与えられる研究に力点を置いて発展してきた。『基礎研究』と『実用』のすき間が事実上無くなった」と指摘する。

 だが、まだ韓国ではこの2つが相反する概念ととらえられているようだ。キム教授によれば、一部の大学教授は科学の実用化・事業化は研究の本来の目的でないと反論しているという。

 キム教授は、大学や研究機関、研究者を世俗を離れて気高く身を保っているとし、『象牙の塔』のフレームに閉じ込められている」と指摘。「企業家精神を基盤とした科学が成功をもたらす場合、それは結果的に『基礎科学』『基礎研究』の活性化につながる可能性がある」と強調する。

 つまり、発想の転換が必要なのだ。しかし急には変えられない。対日本『0−21』は容易に覆りそうもない。
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 http://www.sankei.com/west/news/160926/wst1609260002-n1.html
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