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2016年07月23日18:33

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旅行記@夏の諏訪遠征《2》神長官守矢史料館

〜〜〜史料館〜〜〜

諏訪大社の上社前宮・本宮を巡拝したあとは、その二つの社のちょうど中間あたりに位置する《神長官守矢史料館》へと足を向けた。
この史料館、いちおう幹線道路のすぐ脇に在るのだが、案内板の出し方も控えめで、ちょっと場所がわかり辛い(;´∀`)

神長官守矢史料館。
「じんちょうかん・もりや・しりょうかん」と読む。
古代から江戸時代まで、諏訪大社上社の《神官の長》を代々つとめ上げた守矢家にまつわる資料・文書などを、保管・公開する施設で、当の守矢家の敷地内に建っている。
フォト
↑敷地入口は、ごく普通の民家の如く(奥に立派な門はあるのだけども)、ありきたりなブロック塀に囲まれている。が、表札には確かに《神長官守矢》とある。。。まずこの表札で、独りクスクスと笑ってまった(;´∀`)

敷地内に入ると、左手に母屋と思しき建物や祈祷殿(市指定文化財)などがあり、それらの建物と向かい合うようにして右手に建つのがコチラ↓。
フォト
神長官守矢史料館の建物だ♪
設計者は、建築家・建築史家の藤森照信(1946〜)。
藤森は地元茅野市の出身で、高校までを諏訪で過ごしたらしい。そうした縁故があってだろう、建築家デビュー作となるこの史料館を、1991年に当地に落成させた。
史料保護の観点から、建物全体は鉄筋コンクリート造であるが、屋根には御当地・諏訪産の鉄平石を用い、外壁にはサワラの割板やワラ入りモルタルを使用。魅力あふれる個性的な外観に仕上がっていると思う。それでいて、周囲の景観は決して損ねてはいない♪


〜〜〜館内〜〜〜

上記の如く、外観はステキな史料館♪ が、館内の展示は正直ちょっとショボかった(;´∀`)
まあ、100円という入館料を考えれば、妥当なとこだったかも知れないが?

先ず、入ってすぐの玄関ロビーに、複製と解説パネルで構成された、諏訪大社の祭礼《御頭祭》に関する資料の展示がある。
で、そのほかの展示物は、建物奥の、決して広くはない、おそらく10畳くらい(?)のスペースに、祭器や古文書が解説パネルを添えて陳列されているのだが、しかし、このうちの古文書については現物ではなく、写真での展示(;´∀`)
つうわけで、展示品としては、ほとんど見るべきものはなかったという印象だm(__)m
ただ、展示品はともかくとしても、館内に入ってみるだけの価値はあると思う。
何故か?
答えは簡単。内装も素晴らしいからだ。
奥の展示室以外は写真撮影OKということだったので、玄関ロビーの脇にあった会議室のような場所を写真に収めて来たのだが↓、、、
フォト
何とも言えない味わいのある空間♪
ワラを混ぜたモルタルに全方位を囲まれて、ちょっとした《異質感》《異界感》を感じた♪
館の受付窓口にいらした係のおじさんの話では、この建物、《史料館》ではなく《建築》として世界的に有名だそうで、この建物を見るためだけに、世界中から来訪者が絶えないという。
やっぱスゲエ建物なんだ、やっぱスゲエ人なんだ藤森さん。と改めて感心したm(__)m


〜〜〜奇想の茶室〜〜〜

しかし、わしの当地訪問の真の目的は《神長官守矢史料館》の建物ではなかった。
この守矢家の敷地内には、史料館のほかに2件、藤森照信の設計による建物がある。
茶室《高過庵》と、同じく茶室の《空飛ぶ泥舟》が、それだ。
藤森と、画家・山口晃の共著『日本建築集中講義』の中で、山口画伯が《高過庵》を訪れ、訪問記を書いている。その記事を読んで、「こんな奇抜な建物があるならぜひ訪ねてみたい(*´▽`*)!」。そう思ったのが当地訪問のきっかけだった。

しかしこの2件の茶室がまた、どこに在るのか分かり辛かった(;´∀`) よく見ると、いちおう案内板は出ていたのだが。。。
《敷地内》といっても、敷地裏手(山側)の奥、畑や森林に周囲をかこまれた一角に建っており、史料館の在る位置からは《高過庵》も《空飛ぶ泥舟》もその姿を視認できない。
分かり難い案内板の指示に従って、畑のあいだを通る踏み分け道のような通路を辿って、史料館裏手のアスファルト道に出、緩やかな勾配を上っていく。と、まずは《空飛ぶ泥舟》の方が見えてくる♪
フォトフォト
両サイドに立てられた支柱からワイヤーロープで吊ってはいるが、まさに《空飛ぶ》というネーミングがぴったりの、奇抜な茶室(;´∀`) 見れば見るほどに「面白い♪」と思った。
2011年に茅野市美術館で催された藤森照信展で展示されたあと、当地に移築されたものらしい。
残念ながら、普段は室内に入ることは叶わないが、傍には梯子も備え付けてあったので(高過庵の分も一緒に)、何かの折に入れることがあるのかも知れない。。。まあ、一般人は無理かもだけど?

《空飛ぶ泥舟》の裏手には、今度ぁ《樹上の奇想茶室》といった風情の《高過庵》♪
フォトフォト
フォトフォト
こちらも全く珍妙な茶室である。やはり、梯子が外されており、中に入れなかったのはちょっと残念だけど。。。

現在連載中の漫画で、わしが唯一愛読している『へうげもの』には、主人公・古田織部の作った茶室として、この《空飛ぶ泥舟》と《高過庵》によく似た茶室が出てくる。
おそらくはイメージソースとして、この二つの茶室が参考にされてると思うのだが、どうだろう?

とにかく、この世に二つとないような稀有な茶室が実見でき、ホント楽しかった。
見学中は終始頬が緩みっぱなしだった♪
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