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2016年07月11日14:11

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闇を語る(その4)

執事 SМの原点というのは告白だと私は考えているんですよ。SМは緊縛なんかじゃないんです。鞭でも、その他のプレイでもないんですよ。小説でもないんです。告白がSМなんですよ。覗き見るでもないんです。ましてやショーとか、パーティとか、そういうのは私にとってはSМではないんです。
奥田 それは、また、大胆な意見ですねえ。
執事 奥田さんには悪いんですけどね。SМ雑誌さえもが私にとってはSМではないんです。だって、雑誌になった瞬間にそれは作りごとじゃないですか。でもね。プレイは現実かというとね。それも違うんです。だってサバイバルゲームはゲームであって戦争じゃないじゃないですか。戦争映画もね、たとえそれがドキュメンタリーだったとしたって、それはやっぱり戦争じゃないんです。戦争を利用した作り物なんですよ。でもね。たとえば、戦争体験者がそのことを語るとするでしょ。それは本当の戦争なんですよ。語っている間だけが戦争なんです。それが文字になったら、もう、違うんですよ。
奥田 なるほど、少し分かってきました。SМの恐怖とか不安とか苦痛とか羞恥とか、そうしたことは文字にした瞬間に違うものになってしまいますよね。
執事 そうなんですよ。怖かったと震えながら言うのと、震えが止まらないほど怖かったと、そう書くのは違うんです。だから告白がいいんですよ。しかも、布団の中で、こっそりと告白するSМがいいんです。あの名作トー・クンの「女教師」の中にはそうしたシーンがありました。告白しているのはSの男で聞いているのがМの女でした。あれがいいんです。私は、そうしたSМを再現したかったんですよ。だからサロンだったんです。プレイ場所でも、パートナー捜しの場所でも、ショーなどやる場所でもなく、ただ、告白の出来る場所。告白を聞ける場所。そうした場所を作りたかったんです。告白するのに最適な環境を研究したかったんですよ。それこそが、このインターネット時代にも、決して失われることのないSМの闇、SМのエロスだと私は思っていたからなんです。そこで、奥田さんにお聞きしたいんです。プレイでも人でもなく、ただ、その建物に興奮したというような場所が風俗取材の中であったでしょうか。
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