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2016年07月04日19:09

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創業家の土壇場の翻意

今日、先日買った「カリスマ鈴木敏文、突然の落日」という本を読み終えました。

 事の発端はセブン&アイホールディングスの鈴木会長が、セブンイレブン社長の井坂隆一社長兼最高執行責任者(COO)を更迭する案を取締役会に提出したが、その案が過半数を取れずに否決されたことで、鈴木会長が全ての役職を降りる(事実上の勇退)と言い出したことでしょう。

 この話題はニュースや新聞にも大きく取り扱われていたものの、私はどうしても「どうして?」の感が拭えなかったので本を読んで確認することにしました。

 鈴木敏文氏は言わずと知れた「コンビニの神様」と呼ばれ、当時大反対だったコンビニ事業をアメリカから取り入れ、日本にコンビニを根付かせた人ですね。今のコンビニの流通システムや売れ筋の商品はセブンイレブンがいち早く導入し、他社もそれを真似て追随してきたと思います。

 今では当たり前に売られているおにぎりとおでんは共に鈴木会長のアイデアだったことはテレ東のルビコンの決断やTBSの金スマでも取り上げられました。アメリカのコンビニを日本流に作り替え、今ではなくてはならないものにまで引き上げました。アメリカの本体が経営破綻した後は逆買収しました。

 今回の鈴木会長の勇退劇には、イトーヨーカ堂の創業者の伊藤雅俊名誉会長や創業家の意向が反映されたとも言われています。伊藤名誉会長は井坂氏の更迭に最初は同意したものの、最後に反対したようです。セブン&アイホールディングスの株式の10%を持っているに過ぎませんが、鈴木氏と伊藤氏は共にグループを発展させてきたわけですが、仲が悪いという噂もあったみたいです。

 井坂氏は伊藤名誉会長から社長更迭はさせないというお墨付きをもらっていたという噂もあったので強気でいられたという話もあります。

 また、今回の重要なポイントは社外取締役2人が白票を投じたことで過半数割れになったようにあれだけのカリスマ経営者の意見でもNOを叩き付けたということです。
 そして外国人投資家のサード・ポイント社も更迭案に反対していたということです。
 
 オリンパスや東芝では社外取締役が上手く機能しなかったことで不正を正すことが出来なかったようなので社外取締役の役割が今後重要視されてくるということです。

 鈴木会長が第1線を退くことで、井坂氏がセブン&アイホールディングスの社長に就任するということですが、井坂氏はセブンイレブンの生え抜き社員ということで、グループのイトーヨーカ堂とそごう・西武、通販のニッセンの立て直しが円滑に進められるか疑問だという話もあります。

 カリスマ経営者が去った後に弱体化しないかはこれからの経営陣の采配次第ということになりそうです。
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