1862年3月8日、バージニア州ハンプトン・ローズで、海戦が行われた。この海戦で
史上初めての、装甲艦同士の戦闘が行われた。北軍の戦力は装甲艦「モニター」と、木造
の軍艦が3隻。南軍は装甲艦「バージニア」と木造軍艦3隻、と全くの互角。
この海戦はまず、バージニアが北軍の木造軍艦3隻を叩きのめすところから始まった。こ
のときまだモニターはこの海域に居なかった。バージニアには衝角がつけられており、こ
れを使って木造船のどてっ腹に穴を開けて屠っていく。はるか昔、ガレー船時代の衝角戦
術が、装甲艦の防御力と蒸気機関の機動力によって蘇ったのである。
そこに北軍の装甲艦モニターが駆けつけ、モニター対バージニアの装甲艦同士の一騎打ち
となったわけだ。バージニアはもともと木造フリゲート艦として建造中だった。しかし、
バージニア州が合衆国からの離反を決定すると、合衆国軍はバージニア州のノーフォーク
造船所を襲撃。建造中の船は焼き払われた。
しかしこのフリゲートは、喫水線の上しか焼けず、水面下の部分は焼けずに残った。蒸気
機関も正常に動くことが確認された。そこで南軍は、この船を装甲艦として再生すること
にしたのだ。10センチ強の厚さの鉄板で覆いつくした。全長84m全幅11.8m、排
水量3200トン。鉄の重みで半分沈んでいるように見える。
7インチライフル砲2門、6インチライフル砲2門、9インチダルグレン砲6門、12ポ
ンド臼砲2門という武装である。画像を見ても面白い外見をしている。浮上して半分水上
に顔を出している潜水艦のようである。1本突き出た煙突がユーモラスな感じだ。
水上部分はほぼ砲塔だけである。こうすることで、敵の砲撃に対して的となる部分をなる
べく減らすように設計されていたわけである。
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