・はじめに
福岡に到着したのが遅い時間だったので、気付けば夜も更けてきた。
博多と言えば、屋台ラーメンを思い浮かべる人も多いだろう。
もっとも、地元の人に言わせれば、川沿いの屋台は所詮観光客向けだ、と言われそうであるが。
確かに、屋台の軒に旅行会社と提携していることを表示している屋台も少なくない。
福岡へのツアーパックに、提携屋台での食事券が含まれているのだろうか。
チケットを出せば、その屋台が決めた定番セットを出す、という仕組みならば、
店側も売り上げの目星をつけられるし、外国人観光客も注文で困ることもないだろう。
日本人が、例えば東南アジアの国に旅行をするならば、何となく屋台で食事を摂りたくなるだろうし、
「屋台」を経験すると外国の深いところに触れたような気分になれるのは日本人だけでもあるまい。
とはいえ、それこそ地元民は、屋台に掲げられた提携マークを見るとどう思うのだろうか。
��-53：千代で餃子を食べた後、宿に戻ろうと天神に向かって歩いていたらこの屋台を発見。
やはり、軒先に餃子の看板があったので、また他に客が殆どいなかったので入ることに。
日付が変わる直前であり、片付けを始めかけていたのだが、餃子なら作れるとのこと。よかった。
先客は、30代だろうか、の女性が一人。仕事の愚痴をこぼしている。
部下(?)のふたりの仲が険悪で、それが男と女で、どちらかを辞めさせるしかなさそうだ、
うっかり、そのいさかいに介入してしまったからこんな遅くまで付き合う羽目になった、云々。
家ではタバコを吸わないから、ここで吸っていくの、云々。
私、バリバリ仕事をこなしたいのに部下に恵まれないのよねー、と悩んでいるのだろうか。
家では家族と同居しているのだろうか。それともペットだけなのだろうか。子供はいるのだろうか。
博多の屋台のノリとしては、親身に聴こうとする態度を見せればそこで仲良くなれるのかもしれない。
しかし、餃子から浮気するわけにはいかない。餃子に振られてしまったらこの先どうすればいいのか。
・対象
営業時間：多分、夕方〜24時頃 定休日：多分、天候次第なのだろう
餃子6個450円
屋台である。コの字型のカウンターに腰掛けるようになっている。
・結果
その場で包む。皮は薄い。餡は野菜主体。
タレは味ぽんをそのまま注いだようだが、仄かに甘い。ゆず胡椒も添えられてくる。
・考察
餃子のタレに限らず、甘い味付けになるのは、日本のどの辺りからなのだろうか。
甘い味付け、で真っ先に浮かぶのは徳島ラーメンである。それから、広島のお好みソース。
西日本は、特に東北地方と比べると甘口になっているように思える。
もっとも、関西人からすれば東日本、特に東北地方の味付けは塩辛い、と感じるのだろう。
好みの問題で片づければそれまでだが、どちらも健康に良いとは言い難い。
最近になってようやく感じることができるようになったのだが、「食事」に甘味は必要なのか。
いわゆる、隠し味としての甘味はあって良いと思う。
しかし、その程度は、食べる者が感じられるか感じられないか程度にすべきではないか。
食べてすぐに、甘い、と感じられる料理は問題だと思う。これ以上は餃子から離れるのでやめるが。
そのような認識をするようになったので、餃子のタレから甘みが感じられると、引いてしまう。
餃子自体の味へのセンサーが鈍くなってしまうのだ。
今回の餃子であるが、多分甘みを加えてある味ぽんの瓶のおかげで、餃子の印象が薄れてしまった。
・まとめ
評価は3である。甘さを感じられるタレは好みではないというか、好んではいけないと思えてきた。
甘い味に慣れていると、舌の感覚が鈍くなる、のもそうだが何より糖尿病が恐ろしい。
帰宅した後でこの屋台を検索したのだが、サイトによって場所が異なって表記されている。
西中洲とも、天神1丁目とも、天神2丁目とも表記されている。
西鉄の巨大なビルの近くだった気がするのだが、そこは西中洲ではないような…
博多の屋台は、水道栓を確保してやっているように見える。
つまり、屋台ごとに使用できる水道は決まっているのではないかと推察されるのだが、
おいそれと場所を変えて営業することはできないと思う。
今回の訪問では屋台に入ったのはここだけなので、これ以上の想像は止めにしよう。次への楽しみだ。
それにしても、福岡もなかなかにカオスな土地である。
大阪をモザイクとすると福岡はミルフィーユ、だろうか。
つまり、ある程度似たような業種が集まってはいるものの、それらが重なり合って複雑化しているようだ。
大阪の場合は統一感もまとまりも何もなく、点状にちりばめられているが、
福岡はここはオフィス層、ここは屋台層、ここは飲食店層、と何となくは揃っているものの、
層がきれいに分離しているわけでなく、重なって進化している、という印象を受けた。
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