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2016年03月13日22:51

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生きろ、そして、闘え・・・京響定期

いったい、これは、なんだ・・・

京都 京都コンサートホール
京響第599回定期演奏会 (二日目)
高関健指揮 京都市交響楽団
(コンサートマスター:荒井英治)
マーラー:交響曲第6番イ短調「悲劇的」

昨日、僕は、一体、何を聴いていたというのだろうか?

二日とも聴いた人に訊いてみたい、今日のこれは、昨日のあれと、違いますよね?絶対違いますよね?ここまででは、なかったですよね。

今日の高関さんのプレトーク、昨日のトークとはかなり違ってて、最後に「私は私なりにいろいろ変えてますけど、決して音を足してるわけじゃありませんし、オーケストレーションをいじってるわけでもありません。作曲家のやろうとしていることに近づこうとしてやってるわけで、違いがわからないほうがいいんです」なんてことをおっしゃる。まさかと思うが、僕の昨日の記事を読んで、「作曲しなおしているに近い」なんて書いてたのを見たんじゃないでしょうね。あれは、作曲しなおすくらいの綿密さで読み込まれている、という意味であって、文字通りの意味じゃないんだけどなあ。

そんなことを思いながら始まった演奏・・・・これが、とんでもないテンション。最初からレッドゾーン振り切れ。尋常ならざる緊張感。でも、演奏精度は全く落ちない。「昨日の演奏聴いて、なめたこと言ってんじゃねえよ、てめえ、このくそクラオタ野郎。これでどや、えええ?」と襟首つかんで詰め寄られているみたいです。

すみません、ごめんなさい、私が悪うございました。

1楽章も圧巻だったが、何をおいてもすごかったのは4楽章。その中でも、2回目のハンマーがうちおろされ、導入部が再現したあと、少しずつテンポを上げ、アレグロ・エネルジコが確定するまでとそれからの一連の音楽は、その凄絶さ、言語を絶する。

視界には高関さんがいる、110人編成の巨大なオケがいる。その全員が遮二無二没入していく音楽のかなたに、エネルギーが収斂して空間を突き破り、白日夢が立ち上がる。そこでは、何かが前に進んでいる。猛烈な逆風に逆らい、立ちはだかる障害を突き崩し、切りかかる敵を駆逐する。時に、血しぶきがあがる、肉片が飛ぶ、それでも、前に進む。

生きろ、と彼は言う。闘えと、彼は言う。その先にあるものは、必ずしもいいものではないかもしれない。そこには、とってつけたようなお約束なんてないだろう。でも、闘うんだ、なぜなら、それこそが「存在」の「理由」なんだから。

20世紀最大の「交響曲」が、その本当の姿を見せた、その時間に居合わせた人は幸い。高関マエストロと京都市交響楽団、その渾身の演奏に、賛美。







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