「体操平均」

　ちょっと古臭い話ですが、その昔オリンピックで体操の採点を大勢の審査委員が投票するのに、一番上と一番下の点数を外して、残りの真ん中の点数だけを平均して点数としたことがありました。理由は審査委員の中に、自分のひいきの選手を勝たせるために、本当の実力の高いライバルの演技にわざと低得点を与えたり、逆に自分の贔屓の選手に破格の高得点を与えたりすることを排除するためです。最近、この考え方があまり世の中で重視されていないことが、とても気になります。

　今日見かけた記事で「東大生の４分の一は『アスペルガー症候群』だ」という内部告発的な内容で、『アスペルガー症候群』というのは「知能は平均以上ですが、空気が読めない。細部にこだわり全体把握が苦手、急な変更に対応できない。同時に複数の業務がこなせない。一般常識がない。職場の適応障害。電話を掛けながらメモが取れない。白黒つけたがる。などのことから自殺の可能性が一般人の９倍ある」と言われています。（ウイキペディア）

　実は僕は高校時代は、ある進学校に在籍していたんですが、一年生の３学期終了時に英語と数学で落第点のため進級できなくなり、追試験を受けてようやく首がつながった経験があります。この時のショックは相当なもので、自分としてはきちんと勉強しているつもりで、「落第」を言われると、途方に暮れたのですが、そこから「脱出」するには、「成績の良い同級生はどんな勉強をしているのだろうか？」という事を調べて、軌道修正することではないかと考えて、成績上位者を標的にアプローチして、ノートを見せてもらい、勉強の方法を教えてもらって、最後には「今度のテストでお前を抜くからな」と宣言して、勝ち上がっていきました。だんだん成績が上がっていくと、トップ５０に手が届き、そこの連中はプライドも強く、非常に目立つ存在でしたが、今にして思えばその中の何人かは「アスペルガー症候群」ではないかと思い当たる仲間がいました。

　今でも同窓会で会うことがあるのですが、このエリートの中にはじめだけ顔を出して、途中から毎回中座する男がいます。どことなくみんなの会話に溶け込めない存在で、でも現役時代はエリート官僚としてトップに上り詰めた秀才なのです。僕は自慢ではありませんが、底辺から這い上がりましたから、上から下までいろんな仲間と話を合わせることができます。つまり「底辺の仲間の話題」と「トップの仲間の話題」とはかなり次元が違います。そうして「同窓会」のような「集団」の「飲み会」や「旅行」では、この「紫外線」と「赤外線」は「不可視光線」で全体の流れになじませることがかなり困難です。

　さてここからが本論です。今の政治でも、この「紫外線」や「赤外線」が「きれいな虹」を曇らせて、多くの日本人を困らせているのじゃないか？「新自由主義」というのも、「弱肉強食屋」という「紫外線」が「ＴＰＰ」を使って、「虹」を混ぜっ返して「全体」を「灰色にしてしまおうとしている」のではないか？政治で言うならば「国粋主義者」という「紫外線」、「共産党」という「赤外線」を外して、国政を論じるべきではないか？経済で言うならば「新自由主義」という「紫外線」を外し、「バラマキ」という「赤外線」を外して考えたら、本当の「最大多数の最大幸福」が得られるのではないか？と思います。

　国民の誰もが「新自由主義」の奴隷になりたいとは思っていません。しかし、現実には一人の独善者が、政治資金で「政策」を買い、多くの国民の望まない「消費税を引き上げ、法人税を引き下げ」ます。これのどこが民主主義だというのでしょうか。国民に投票させておいて、それらの「アスペルガー症候群」が一般情意識のない、細部にこだわり全体把握ができない、急な変更に対応できない、世界情勢に適応できないのに、国政の中核に座って日本をゆがめてゆく。彼らの欠点は「道徳的資質」を欠いている。心のない政治だという事です。なぜなら「戦後教育」は一貫して「公徳心」とか「国民の使命」を教えてこなかった。だから「魂を売る政治」をしても何ら恥じるところがないのです。たびたびＳＮＳの記事の中では「売国奴」という言葉が出てきますが、本当は日本人の魂を売る「売魂奴」ではないかと思います。渋沢資本主義は国民を豊かにする「道徳資本主義」をあるべき姿としました。それが「田中金権政治」以降、日本を漂流させ、その結果中国や韓国に蝕まれる国になりました。中国や韓国のほうがよっぽど「愛国心」にあふれているように見えます。

　皆さんはこの「アスペルガー症候群」を排除したいという意見に賛成ですか？それとも反対ですか？