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2015年12月21日20:54

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今月のセインティア翔ネタバレ

兄を死に追いやった男…サガ!アイオリアの閃光が炸裂する!
☆エリスの御前、新たな邪精霊が…。

stage29☆突入

リゲルは神殿の柱の陰にいる男に気付いた。
「…そこにいるのは誰か?ここはエリス様直々に呼ばれたものしか入ってはならぬ」
「フッ…偉そうな口を聞くようになったな。お前一人だけが特別というわけではあるまい」
「!あ…あなたは…!」
男が姿を見せる。
「…久しいな、リゲル。まさかこんな形でお前に再び会うことになるとは…な」
「アイソン様…!あなたが…なぜ…!?」
「邪精霊(ドリアード)は神の意志によって形を成すもの。ならばわたしの魂が選ばれても不思議ではあるまい」
「エリス様…いや…響子があなたを選んだと…。では…やはり彼女は…」
「言うな、リゲル。言葉に呪われるぞ。われらの使命はただひとつ。われらに命を与えた神を守護すること。あの扉の奥にいる、生まれたばかりの神をな」
その時、黄金の林檎が光った。
「!」
「小宇宙が…、また大きく弾けた…!」
「……」
「苦しんでいる…?いや…歓喜しているのか?」
「…リゲル、どうやらわれらに残された時間は少ない。一刻も早くあの子を…翔子をここへ連れてくるのだ」
ムウと翔子は沙織を守ってアテと戦っていた。
『砕けた足場も…瓦礫も…すべて宙に浮いている!この人の力なの!?』
「ほう。この神殿内でここまでのサイコキネシスを扱えるとは…。柔和な外見に似合わぬ力だな、牡羊座!しゃしゃり出てきたからにはこのアテが血祭りの歓迎をしてやろう。我の茨は先ほどのような一枚鏡では防げぬぞ!」
ムウが翔子に声をかける。
「下がっていなさい」
「…えっ?」
ムウの足元から茨が飛び出した。彼ののど元に突き刺さろうとした瞬間、動きが止まる。
「ア…牡羊座さん!」
「念動力(サイコキネシス)で止めたか。だが長くはもつまい」
「…アテよ。邪精霊(ドリアード)の長と言われるあなたに聞きたい。エリスはアテナになにをしたのです?」
「フ…さあな。だが今のエリス様のお力は以前の比ではないほどに強大。アテナの魂を抜き取り、封じることくらいたやすいであろう」
「…なるほど、やはりそういう事か。では…」
ムウが目を閉じる。茨がはじけ飛んだ。
「なにっ!?」
「これ以上、木偶(デク)人形と戯れるつもりはない」
ムウのサイコキネシスが茨でアテを拘束する。
「うっ!?」
「お前が本体でないことは見抜いている。邪精霊(ドリアード)のアテは執念深く、かつ用心深い性格ときく…。一度敗れた黄金聖闘士が神殿内にいる状態で本体が外郭まで来るとは思えん」
「フ…ハハ…。さすがは黄金聖闘士。どやつも小賢しい口をきく。だが…覚えておくことだ。エリス様同様、我らの力も以前の比ではない。この神殿内での戦いは、すべて我の手の内。我こそが…神の力を得るのだ…フフフ…」
そうしてアテは花びらとともに消えた。
「あ…あの、ありがとうございます!」
ムウが翔子を見る。
「礼には及びません。その子馬座(エクレウス)の聖衣…。邪神に対抗しうる力を持つ者が纏うと聞いたのですが、あなたには少し荷が重かったようですね」
その言葉に、翔子は倒れた沙織を見た。ムウが沙織を寝かせる。彼女の首には紋様が浮かび上がっていた。
「邪神の紋様が浮かび上がってきている…。やはりエリスによってなんらかの封印を施されてしまったようですね。とても危険な状態です。それに…このままでは神殿の結界も消えてしまう。そうなれば地上すべてに邪神の力が及ぶことになります」
「……。わたしがお姉ちゃんの…いえ、エリスのところに行きます。そして沙織さんの封印を解かせます!」
「…あなたにできるとは思えません。すでに黄金聖闘士ふたりが動いている。聖闘少女(セインティア)らしくアテナの側で控えていたほうが賢明ですよ。もちろんこの状態のアテナをあなたには任せられませんから、わたしも守護します」
「…いいえ、行かせてください。もう十分守られました。わたしも命をかけて戦わなきゃいけないんです。沙織さんの…アテナの聖闘少女(セインティア)として!」
「なるほど。勇ましいですね。ではひとつお聞きします。先ほどの戦いを見るに、あなたはやはり姉のことが気がかりで仕方がないようだ。あなたにとって今のエリスはなんですか?倒すべき邪神か、それとも…血を分けた姉か」
「どちらもです」
「…子馬座(エクレウス)。あなたはまだ夢物語を見ているのではないですか?姉であっても今のエリスは明確なる敵。アテナの命を脅かし、この地上を争いの戦火で包もうとしているのですよ」
「…沙織さんと約束したんです。姉を敵として倒す以外の道を信じようって。わたしには…邪神に立ち向かう力も、アテナを護る力もまだ足りない。でも…沙織さんとの約束だけは、最後まで信じて守りたいんです。沙織さんと一緒に…お姉ちゃんを止める。ぜったいにあきらめない。だから今は沙織さんを助けるために、わたしが姉のところに行きます!」
「アテナとの約束を信じ守り抜く…。それが“聖闘少女(セインティア)”の志ですか。…わかりました。ただ…ひとつだけ忠告しておきます。戦いの現実は甘くありません。決断をせねばならぬ時が必ず来ますよ」
「はい」
「…さあ、あなたの首を狙って邪霊たちがまた集まってきたようです。ここはわたしに任せてお行きなさい。子馬座(エクレウス)の翔子」
「…ありがとうございます!ムウさん!」
星の光が翔子を包んだ。
『まぶしい…。光が身体を包んでいく…?』
そして翔子は飛ばされた。
マユラからの心話がムウに届く。
「牡羊座のムウ様。どうやらあなたのお手を煩わせてしまったようだ。未熟な弟子を助けていただき感謝します」
「孔雀座(パーヴォ)のマユラか。礼には及びません。むしろ彼女を死に急がせたのですから」
「いいえ…いつの時代も死地に赴くのが聖闘士の道です。教皇に立ち向かった青銅聖闘士たちのように」
「そうですね。彼らのように…。なにかを強く信じる心を持つ若者のことは、わたしもつい信じてみたくなるのかもしれません」
翔子は光の空間を飛んだ。
『ムウさんの放った光に包まれて…わたし…どこへ行くの?』
着いたのは、大樹のふもとに開かれた入り口だった。
『ここは…神殿の入り口!』
翔子は意を決して中へと進んだ。
争いの大樹の根本ではアテが力を蓄えていた。
『あの娘が神殿内に入って来たか。黄金の林檎は誰にも渡さぬ』
アテが手の中の林檎を握りつぶす。
『あの娘の首を誰が獲ろうと、エリス様に捧げる資格があるのはこの我のみ。ああ…あの娘も黄金聖闘士も、今すぐにでもこの手で直接引き裂いてやりたい…。だがまだだ…まだ足りぬ。ガラクタ共よ、もっと争え…。そして…力を貯めるのだ』
神殿内ではサガとアイオリアの戦いが続いていた。
『い…いかん、このまま戦いを続けても決着はつかない。しかし…今、ヘタに動けば間違いなく隙を突かれ致命傷を受ける!』
「クックック…どうした、アイオリア。まさかこのわたしと千日戦争でもやっているつもりなのではあるまいな」
「なに…ッ!」
『急激に…サガの力が増していく…!』
「言ったはずだ…わたしは神によって新たな命を得たと。そして人を超える力を手に入れたのだ。人であるお前には想像の及ばぬ力をな!」
アイオリアの拳を握ったまま、サガが前面で腕を交差させる。
「その証拠を…今ここで見せてやろう!」
『まさか、このまま…ッ!?』
「ギャラクシアン エクスプロージョン!」
至近距離で技を食らったアイオリアが倒れる。
『う…うう…。まさしくサガのGEX…。いや、それ以上か…?』
「どうだ?今のは試しに半分ほどの力で放ってやった。もはや動けんだろうがかろうじて息の根は残してある。お前がわたしの力を存分に思い知らぬまま消し飛んでもつまらんからな」
サガはアイオリアの頭をつかみ、持ちあげた。
「ぐ…」
「アイオリアよ…。お前程度の力では地上は護れん。中途半端な人間は強大な力の下でのみ自らを活かせるのだ。かつてお前がわたしの下でそうだったようにな。だがお前のような者でも確実にこの地上を護れる方法がある。地上の支配者となるわたしの一部になることだ」
茨がアイオリアの体に巻き付いた。
「ぐ…っ!断…る…」
「…だろうな。ならば死ね」
その時、真紅の閃光が空間を切り裂いた。サガの手からアイオリアが奪われる。瓦礫の中で彼を助けて立つ男をサガは見た。
「フッ…。ひと思いに死なせてやればよいものを…」
それは蠍座のミロだった。
☆蠍座のミロ、見参!


作者コメント:祝・30周年!色褪せない星矢世界の魅力を少しでも伝えられたらと思っています。


色々濃かった今回でした。
新キャラ登場、アイソン。アイソンは、アルゴー船の冒険で有名なイアソンの父親の名前ですね。プロテクターの形から「杯座じゃないの?」と言われてます。
ムウがすごいクールビューティー。そして黒サガはぶいぶい言わせてますw最後にミロ登場、相変わらず立ち位置が王子様っぽいなw


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