葉山町さんぽ「三浦アルプス中尾根南尾根・森戸林道から観音塚」
◎『三浦アルプス南尾根』
「三浦アルプス」の大半は、逗子市・葉山町に属し、一部は横須賀市にまたがっています。三浦半島の地図でみると、逗葉新道と県道横須賀葉山線にはさまれた広大な丘陵地帯で、この丘陵の中に、阿部倉山（156ｍ）・二子山（207ｍ）・畠山（205ｍ）・仙元山（117ｍ）の名前がみられます。丘陵地帯のなかを森戸川が流れています。二子山や仙元山周辺には、かなり以前からハイキングコースが整備されていて、多くのハイカーに親しまれてきました。三浦アルプス一帯は、三浦半島に残された貴重な森です。昔は薪や肥料を得るために地元の農家の人達が入山したようですが、最近は薪取りなどもなくなり、数十年も放置されているため原生林のような状態になっています。春先には、サンコウチョウやオオルリ・ホトトギスなど渡り鳥の姿を見ることができます。タヌキやタイワンリス・ノウサギなどの哺乳類も多く生息しています。森戸川では、アブラハヤやオイカワ・ハゼなどの魚類、夏にはホタルも見ることができます。首都圏に近く、標高は高くありませんが、小さな頂きがたくさんあり、アップダウンの繰り返しはまさにアルプスの感があり、里山歩きにうってつけです。
【長柄交差点バス停】
逗子(新逗子)駅前から葉山方面のバスに乗り長柄交差点で下車し、あずまやのところを斜めに入ると、「長柄の散歩道」として森戸林道ゲートまでの案内板があります。案内板に従い道なりに行き、御霊神社の先で右折して川久保橋を渡り逗葉新道を横断し、さらに道なりに左手へ曲がっていきます。少し行って、右の森戸川沿いへ続く道に入ります。
【森戸林道入口ゲート】
森戸川沿いを進むと、やがて「森戸林道(正式名称は三浦大山林道)入口ゲート」に着きます。ゲートには立入禁止・落石注意などと書かれていますが、右側から入ることができ、立ち入ることは問題ないようです。ゲートからは森戸川の微かな瀬音を聞きながら、気持ちのいい樹林の道が続きます。森戸川は、上流部は二子山ハイキングコースに沿って流れる清流で、ハイキングやキャンプ、川釣りなど、三浦半島では数少ない河川レクレーションの場となっています。幾つかの堰堤があり、三浦半島中央道路が近年建設されたほかは手付かずの自然が残り、三浦半島では最もきれいな水の流れる川でもあります。
【林道終点】
三浦半島中央道路(桜山大山橋)の下をくぐり、やがて左に堰堤が現れると道が細くなって、しばらく進むとベンチの置かれた「林道終点」に着きます。ここまではほとんど平坦な道で、ここから二子山、中沢、中尾根南沢、南尾根などへの道が分かれています。右には、南尾根から降りてくる道があります。
【中尾根登山口】
林道終点から中沢・二子山への道に入り、沢を渡ってすぐの中尾根ルートに入ります。このルートは中尾根への近道で、急坂を上って尾根が近くなると本ルートに合流します。尾根に出ると展墓が開け、右手に南尾根、左手に北尾根、後ろに二子山が望めます。尾根道は、樹林の中の一本道で迷うことなく、展望を楽しみながら進むと、右に下っていくようになり南中峠(六把坂)に着きます。
【南中峠(六把坂)】
南中峠(六把坂)では手作りの道標があり、ちゃんと中沢(左)と南沢(右)に下る道は明瞭に認められます。正面の中尾根を、さらに乳頭山方面に向かいます。アップダウンを繰り返して進むと、南中峠から15分で斜め十字路に着きます。
【斜め十字路】
斜め十字路にも手作りの道標があり、峠のようで名前の通り中沢(左)と南沢(右)に向かって斜めに道が横切っています。さらに中尾根を乳頭山方面に進むと、途中に送電線鉄塔が2本、「東京南線3.4号線��35」と「東京南線1.2号線��34」があります。
【乳頭山】
やがて階段(送電線巡視路用)を上ると左に東尾根縦走路が合流して、すぐ乳頭山の山頂です。南沢の林道終点からここまで約1時間でした。狭いながら、この付近の山の頂点らしく立派な木があります。木々の隙間からの東京湾・横須賀港の眺望は素晴らしく、眼下には横浜横須賀道路が見えます。
【畠山分岐(三国峠)】
乳頭山頂から南に下るとすぐ左に畠山分岐(三国峠)があり、まっすぐの観音塚方面に進みます。ここに大和ハウスのりっぱな道標があり、この先にもみかけます。
【茅塚分岐と上山口分岐】
乳頭山より高いピークを過ぎると、茅塚分岐と上山口分岐があります。この二つの道は、先で合流して上山口小学校(上山口小バス停)へと下って行きます。ここにも立派な標識があり、まっすぐに進みます。
【送電線鉄塔��34】
すくに送電線鉄塔「東京南線3.4号線��34」があり、見晴らしがよく休憩ポイントになっています。
【栗坪分岐】
この先、急な下り坂が続き、下りきるとまもなく栗坪への分岐が二つあります。ここにもりっぱな道標がありますが、低い位置の藪の中にありますから、見落とさないように注意が必要です。二つ目の道標には、「この道は迷いやすいので注意」とビニールテープに書かれています。
【大桜】
この先、大和ハウスのりっぱな道標は姿を消し、手作りっぽい手書きの案内がところどころにあります。急坂の上りきると、桜の大木がある大桜になります。手作りの道標をよくよく見ると、まっすぐの大桜の方は「×、行き止まり」と書いてあります。ここはＶの字に左に下ります。この先の手作り道標でも、進んではいけない方向に×印がうっすらと書かれているので、注意して進めば大丈夫です。この分岐はどっちだろう？と思ったときは、焦らずに周囲を見回すとさりげなく「←仙元山」などの道標があり助かります。コース沿いには、ところどころに番号が記載された山火事防止看板が設置されています。「山火事や緊急事態が発生した時に、この番号を伝えてください」と書かれています。歩き始めに��30の看板があり、29、28、と数が減っていきます。
【林道終点分岐】
しばらく歩くと手作り道標があり、林道終点分岐(右)があります。この道を下ると、上り始めの中尾根に取り付いたところに出ます。
【丸塚分岐】
この先、丸塚分岐(右)があるのですが確認できず通り過ぎてしまいました。山火事防止看板��28の付近だったと思われます。
【新沢分岐】
山火事防止看板��27のあるところが新浦分岐(左)で、水源地入口バス停へと下っています。
【高塚】
この先、小さなアップダウンを繰り返し、2m以上ある笹の中を通過するところもあり、とても休憩するような雰囲気でもありません。やがて大木が並んでいる高塚に着きます。
【観音塚(地蔵山)】
高塚からいったん下り、上りきるとやっと観音塚(地蔵山)に着きます。左に下ると、一色住宅バス停へと出ることができます。
【仙元山ハイキングコース】
観音塚から仙元山へ歩くと森戸川林道分岐(右)があり、それを分けてしばらく行くとりっぱな仙元山ハイキングコースに出ます。この先、南尾根コースは右手の仙元山まで続きますが、ここは左に葉山花の木公園へと下りました。バス停は、葉山小学校前です。
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