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2015年10月18日11:39

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作業手順として、記録計のスイッチ入れ忘れはありえない。

 現場造成杭は、アースドリルで地中に深い穴を掘って造る。柔らかな土壌部分ではすかすか掘れるので、ドリルを駆動するモータへの駆動電流は少なくてすむ。
  →本来は電力だが、電圧が一定なので、電流値をみれば必要とする力(電力)がわかる。

 土壌が固くなれば、ドリルを動かすのにたくさんの力が必要になり、必要とする電流もふえる。強固な岩盤に到達すれば、急激に電流値が増えるので、「岩盤」まで到達したのがわかる。
深さは、ドリルの繰り出し量でわかるから、岩盤に到達してから、さらに食い込ませるのに必要な深さまで掘り、ドリル作業を終了する。
 →記録計なしには、岩盤到達を判断できない。
  すなわち、記録計のスイッチの入れ忘れなど本来ありえない。
    →速度計や燃料計のない自動車を運転するようなもの。

 基礎工事前に、敷地の土壌状況や岩盤の分布を知るために、何本もボーリングをして調査する。
採取したボーリングコアから、土壌分布と岩盤の状況分布を想定し分布図を作る。
ボーリング密度を細かくすれば、精密な分布図が得られるが、調査コストがかかるので、適当と思われる本数を打ち、データ補間で推定するのだ。

 重要:強固で均一な岩盤があると推定される地域なら、本数が少なくても問題ない。
     しかし、今回のような河川域では、堆積が均一でなく岩盤までの深さもかなり
     変動があると推定されるので、より細かにボーリングして調べないと、実態と
     異なる推定が行われる可能性が高くなる。

     この作業は、設計段階で元請けの責任でおこなわれる。
     根本的には、元請け(三井住友建設)の調査、設計が適切であったかどうかから
     調べる必要がある。

 元請けの設計書に従い、杭造成は行われる。
 指定の場所に穴を掘り、鉄筋カゴを挿入し、セメントを流しこんで杭とする。
 設計書の推定深さに基づいて鉄筋カゴは予め用意されていうるので、推定よりも深いところに岩盤があると、カゴが足らなくなる。
 本来は、その場合、元請けに情報を戻し、指示をあおぎ、岩盤に届く杭とする。しかし、それを行なうと、当然工期はのび、コストが増加する。
 
  重要:本来は、元請けが、そのような事態を起こりうるものとして想定し、
      工期や追加コストの配慮をすべきなのだ。でも、そのつじつま合わせを、
      下請け、孫請けに押し付ける悪習が横行しているのが、現実。
      当然、下請け孫請けは、あの手この手の手抜きを画策することになる。

      現場の地盤が悪いことは、百も承知のららポート計画。
      計画の詰めが甘く、親会社や元請け、中間搾取の日立テクノロジー
      の利益事大主義が、今回の結果を招いたと言っていいだろう。
         →ところで、中抜きの日立テクノロジーが出てこないのはなぜ?

 設計書の深さまで掘ったが、岩盤に到達しない。旭化成建材の下請けからの出向者である現場責任者は、安易な方法をとった。岩盤があったことにしてしまったのである。
 百も承知の、データ偽造、というのが真相で間違いない。

 元請けの三井住友建設の管理体制がしっかりしていれば、そのような企みも躊躇しただろうが、ゆるゆるでばれないと確信できたから、偽造し放題だったわけだ。

 うわものそのままで、基礎工事を補強する方法などありはしない。ここまで、でたらめだと、一からやり直すしか方法は無いのだ。 だから全棟建て替えというのを販売会社がださざるえないのである。

 ららポート物件は、地盤の悪い場所にあるのがほとんどなので要注意。
今回の物件も、河川域で、NECの工場跡地。工場時代は、ほぼ平屋の建物が並んでいただけ。
該当アパートのあたりは、「宇宙棟」という衛星試験設備があったが、サイズはあるものの軽い建物しか無かった(笑。
 駅から資金ではないし、最寄りは横浜線だし、交通至便というものでもない。こんなところにのマンションをなぜ選ぶのか、かなり不思議でもある(笑。

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 バレていないだけで、類似の潜在危険を秘めた脆弱地盤の物件は無数にあるだろう。知らぬが仏である。
 今回バレたのは、極めて大規模な物件出会ったことも大きい。
サイズが小さければ、不等沈下に気づきにくいし、全体重量も少ないので、不良杭が多少合っても、沈下しにくい。

 マンションでも、戸建てでも、しっかりした地盤がある場所、かつ、がけ崩れなどの危険がない場所を選ぶのが肝要。
   地層の状況は、公開データがあるので、だれでも、おおまかな地盤の様子は把握できる。
例:東京の地盤(GIS版)
   http://doboku.metro.tokyo.jp/start/03-jyouhou/geo-web/00-index.html


 またマンションなら、エレベータが動かなくても垂直移動がまあできる高さのもの、できれば低層で小ぶりの物件を選ぶのが賢い人間のすることである。

 湾岸のタワーマンションを選択するのは、大馬鹿だ思う。(コストも高いし)

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 またまた重要:今回の事件は特殊なものではない。
          建設業界の業界構造から、起こるべくして起きた事件だ。
          元請けから、ひ孫受けにいたる階層発注構造と、適正利潤配分が
          行われるよう構造改革が行われる必要がある。





---リンク元記事:2015年10月17日 23:41 毎日新聞
マンション傾斜 記録取り忘れ
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=2&from=diary&id=3668448

 横浜市都筑区の大型マンションが施工不良で傾いている問題で、基礎のくい打ち工事で偽装データを使った旭化成建材の現場担当者が社内調査に「工事データを記録する機械のスイッチを入れ忘れ、データを取り忘れた」と話していることが、同社への取材でわかった。その一方で偽装理由については「覚えていない」と説明するなど、話に不自然な点が多く、旭化成建材は第三者を交えて詳しい調査を始める。

 ◇不自然な説明

 傾いたマンションを支えるくいのうち、6本は強固な地盤(支持層)に達せず、2本も支持層に十分差し込まれていなかった。旭化成建材は、くいが支持層に達していないことを現場担当者が知りながら、それを隠蔽(いんぺい)するためデータを偽装した可能性もあるとの見方を強めている。

 マンションは4棟あり、西棟が約2センチ傾いている。施工会社は三井住友建設で、旭化成建材が2次下請けとして2005年12月〜06年2月に基礎工事を実施した。2チーム(各3人)がそれぞれ掘削機を使って4棟のくい計473本を打った。

 しかし、くいが支持層に届いたか確認するデータに他のデータが転用されたり、加筆されていたりしたのが中央棟で18本、南、西両棟で各10本あった。くいを補強するためのセメント量のデータが偽装されていたのは中央棟で36本▽南棟で5本▽西棟で4本−−だった。13本は二つの不正が重複しており、データが偽装されていたくいは計70本になる。

 旭化成建材は社内調査を踏まえ、データ偽装をしていたのは1チームで、その現場担当者が主に偽装したとの見方を強めている。不十分だった西棟のくい8本について、現場担当者は「くいは支持層まで達していた」と話す一方、偽装の理由を尋ねても「覚えていない」などと不自然な説明をしているという。こうした点について、同社は「説明がつかない。意図的な、何らかの操作があったのではないか」とみている。

 一方、現場担当者が工期の間に2日間、インフルエンザで休み、この間データを取得していなかった。旭化成建材は「(現場担当者は)最初は整理できていたが、工期終盤に整理がずさんになった可能性がある」と説明。データの管理とチェック体制に不備がなければ今回の問題を防げた可能性が高く、同社は「チェックや管理のあり方に不備があった」と組織上の問題も認めた。

 現場担当者は職場経験が15年程度のベテランという。旭化成建材は今後、過去にくい打ちを担当した全国の約3000棟に不正がなかったか調べる方針で、この現場担当者が携わった物件についても詳しく調査する。【岸達也、山田奈緒、水戸健一】

 ◇検査では発見は困難

 建築基準法施行令は、マンションなどの建築物について、構造上安全なものとするよう定めている。違反の場合、設計者や施工者に対する罰則規定もある。

 問題のマンションは横浜市が2005年11月、着工を認める建築確認済証を交付し、くいを打ち込む工事は翌12月から06年2月にかけて実施された。直後の06年3〜4月、東京都内の民間検査機関が建築基準法に基づく中間検査をしている。

 中間検査は、建築確認の申請通りに施工され、安全に基礎が作られたかを、現地で書類や図面を見ながら調べる。しかし、くい打ちなど地中の工事は終わっており、業者の施工結果報告書の記載内容を信じるしかないのが実情だ。問題のマンションはこの報告書の記載内容の一部が虚偽だった。

 横浜市の担当者は「不正を見つけ出す検査ではなく、性善説で運用している制度だ。くいの深さをわざわざ抜き打ちしてまで確認しない」と話す。「市内では1年間に約1万5000件の建築確認が申請されており、今回のような不正を見抜くことは不可能に近い」と苦渋の表情を浮かべる。【水戸健一、国本愛、内橋寿明】
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それにしても、文系バカ記者揃いのせいか、ツッコミの足らない記事だ。
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