お姫さまのようにちやほやされて
きれいな服もおいしいケーキも
ピアノのおけいこも誕生日のパーティーも
毎日がわくわくどきどきで埋まっている
幼稚園から小学校へと
思い通りに過ごしてきたので
口の利き方もしぐさも
ますますお姫さまらしくなった
あるときひとりの少年をめぐって
ほかの少女と争いが起きた
口汚く罵り合う二人を見て
少年はあっさりと去ってしまった
相手にされないふたりはますます憤って
ヒステリックに泣き叫び始めた
思うようにならないことがあることを感じたとしても
泣き止むことなんてできないのだった
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