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2015年09月27日13:38

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【美術】やや辛口「マルモッタン・モネ美術館所蔵 モネ展」

皆様、おこんにちは。12月13日迄東京都美術館にて開催されている「マルモッタン・モネ美術館所蔵 モネ展」に行って参りました。


クロード・モネ(1840−1926)は、生前に成功した画家で、晩年のものを中心に多くの作品を最期まで手元に残しました。これらは息子のミシェルが相続しましたが、その後、ミシェルの遺志でマルモッタン美術館に遺贈されました。その数およそ150点。モネが晩年に何度も取り組んだ「睡蓮」や「日本の橋」だけでなく、10代後半で描いたカリカチュア(風刺画)や30代から40代の風景画も含まれ、モネの画業を辿ることができる画家本人によるプライベート・コレクションです。この特別な作品群を譲り受け、マルモッタン美術館は、「マルモッタン・モネ美術館」と名称を変えました。
 本展では、このモネ・コレクションから選りすぐりの約90点を展示。うち約7割がモネ自身の手によるもので、ほかにはモネ自身が収集した作品やモネ愛用の品をご紹介します。マルモッタン・モネ美術館だからこそ実現できた“究極のモネ展”、どうぞご期待ください。


「『日の出』の印象派、初めて何かの表面に絵の具を塗りつける小学生のような子供じみた手つきで描かれている」これ…当時の新聞の評ですが、正直申して今の自分もこの意見に賛同せざるを得ないのであります。


日本を含めて数多くのファンを持つモネのこの作品。1874年に開催された第一回印象派展に出品されたと言う事と、遺憾ながら美術史上最も大きな「抵抗勢力」の一つとなった「印象派」の名前の由来になった作品であると言う以外に何でこの作品が「名作」なのかが私には解りかねます。

理屈として印象派、とりわけモネの果たした功績は頭では知っていても、「だから何?」と言う印象が歳を重ねるに連れて段々と濃くなる厄介な人の一つでして、初期の作品は嫌いではないのですが、晩年の作品、とりわけ白内障を患ってからの作品はもうイケマセン。

ここからは展覧会の感想と言うよりモネと印象派についての私見になります。近代絵画の流れとして乱暴に大きく分けてしまうと「いろ派」と「かたち派」の二つになると思っています。
「かたち派」はセザンヌに始まって、ブラックやピカソが先導した物を色々な角度から描いた「キュビズム」の流れに対して、「いろ派」は、絵の具を混ぜずに交互に置くと言う手法を用いたモネに始まって点描の旗手スーラの「新印象派」の流れから盟友シニャックに流れて、シニャックから一年だけ指導を受けて後に「フォービズム」の担い手となったマティスに繋がると自分は考えておりまして、その意味で創始者としてのモネの功績は限りなく大きいと言うことは美術史の上では存じています。

が……しかし、自分が好きなのは「歴史画」や「神話画」と言うアカデミズム絵画の世界の人なのでありまして、その流れからすると、輪郭線が無かったり、画面が朦朧としている印象派の作品はやはり素直に受け取り難いものがありまして、正直申して日本人の殆どの美術ファンの皆様が手放しで絶賛されるのかが今二つ理解出来ていないのであります。

画家の総作品目録を「カタログ=レゾネ」と呼んでいて、モネ版も当然のことながらあるんですが、驚くべきことにモネの登録上のデビュー作が日本にあった!と言う事も含めて、日本国内にあるモネの作品だけでも十分に「モネ展」が出来るのに、会場が世界でも屈指のモネ・コレクションを誇る国立西洋美術館では無く、東京都美術館で行うのかも利用者にとっては不親切と思えるものですし、他に観るものがあるだろうが……と天邪鬼である自分はそう思ってしまうのですね。

それでも人混みが苦にならずに人の頭を見たい方は是非どうぞと皮肉の一つを書いて筆を置くことに致します。


http://www.ntv.co.jp/monet/

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