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2015年09月18日19:56

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無言歌は続く

結局 午前中は亜雨が降ったので 部屋の片付けの続き 段ボールに三つ 本を処分することにした 全部で60冊以上はあるだろうか たいした金にはならんが 廃棄するより 古本屋にもって行けば誰かが読むかも知れなひ ただ 拾う もらふ この三つがすきなわたしだが 処分は久しぶりである なんだかんだと結構懸かった 午后はひと月ぶりに金谷ホテルのパンを賈ふ ここのチーズロードと云ふパンはうまひ 月に一度 これだけ賈ふ ほかのパンは然程食わなくなった

 さて 今宵はきのふの再聴 ではなく続き 22番のソナタから聴き始める 21番と23番に挟まれたこのソナタ 三曲の中では一番好きな曲だ バックハウス 三つのボックスでつくられた全集も この次から最後のボックスにはゐる

 その一枚目 ソナタ第24番 25番 26番 27番 26番は「告別」とも云ふが 付属の小冊子には LES ADIEUX とある ある程度 ベートーヴェンの生きた時代を考慮しなひと 曲が生まれた その存在意味を失ってまで聴いてもいけなひ 告別 不在 再会 これがそれぞれの楽章である

 さてきのふ書こうと思いやめた若山牧水 終焉の地は 歌碑の建つ 沼津市千本松 今度行って見ようかしらん 自然詠に本来の姿を認めた旅と酒のうちに生涯を終へた と書けばもっともだが 見方によれば 若山牧水 酒に死す とも云へる

   白玉の歯にしみとほる秋の夜の酒は静かに飲むべかりけり

 いい歌だ 旅を愛して 酒も愛した そこに自然や人生を盛り込んで律動的な歌を幾つも詠んだ

   幾山河越え去り行かば寂しさの終てなむ国ぞ今日も旅ゆく

 ふたつともあまりに人口に膾炙しているので 誰でも知ってゐると思ふのだけれど 「白鳥は」に関しては 有名すぎて その詞書があまりでてこなひのは残念だ 連作風に読むと如何様おもしろいので書いておく

 「女ありき われと共に安房の渚に渡りぬ われその傍らにありて夜も昼も断えず歌ふ」

 白鳥は哀しからずや空の青海のあをにも染まずただよふ

 最後に秋の歌を

   かたわらに秋ぐさの花かたるらくほろびしものはなつかしきかな

 ちょっと珈琲豆を買いに行った 来週休みが続くので 珈琲豆を購うとき 店のママさんに 来週はお休みですよねー と確認したら シルバーウィークは休みです と謂れ その意味が分からんかった シルバーウィーク? 何ぢゃそら

 帰宅後 カレンダーを見て驚いたね 二十日彼岸の入りで日曜 翌日敬老の日 わたしは敬老の日は十五日だとばかり思っていたら 違ふんだ いやー 驚いたね たまげた 知らんでもいいことを知って 馬鹿らしくなった 夏目漱石は「虞美人草」の中で

 「文明に麻痺したる文明の民は あっと驚く時 初めて生きて居るなと気がつく」

 なるほど上手いことを云ふ
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