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2015年08月12日21:04

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この事故が示したあらゆる教訓。

以前にもこの日に同じようなことを書いた気がするのだけど・・。

子供の頃から飛行機好きで、たまに田舎の空高く飛ぶ航空機の音やひこうき雲を見つけては、
その世界に思いを馳せて、いつか乗りたいな、出来るなら自分で操縦したいな・・という、
どこにでもいる男子の心を持っていた。

ある日、父親が仕事絡みでローカル空港近辺に行くので、自分を連れて行ってくれた。
空港ビルの屋上から初めて観た747の姿は、写真やテレビで観た以上の迫力と、
言葉では言い表せないような風格、そして技術の粋、未来の姿を観た気がした。

4発のエンジンを轟かせ、あの巨体が浮き上がり大空へと力強く舞い上がる姿に、
ただただ口を開け見とれ、いつしかあれに乗りたい・・その気持が高ぶった。

それから10年以上経ったあの日・・。

ニュース速報にて第一報を知った時、身体が硬直した。
以後錯綜する報の中で、絶望的なニュアンスが伝わるのを観て、
「あの憧れのジャンボが落ちるはずがない。信じたくない・・」という気持ちが覆った。

翌早朝、ニュースがあの無残な姿を映し出したのを目の当たりにして、
その現実をどうしても受け入れられず、何だかこの先の未来とか、人生観とか、
この国の行く末とか、全てのことまで崩壊してしまうような、
そんな不安感や絶望感らに苛まれ、何もする気が起きないほど落ち込んだ。

あの時母親は癌を患い入院手術を経ている最中で、運良く手術も成功し命拾いをしたと、
家族一同喜びあとは順調に回復、退院を待つさなかで、それこそ希望や命の大切さとか、
尊さを実感していた最中だった。

日中に病院を訪れると、大部屋にいる患者さんのテレビの前に、他の患者さんや
付き添いの方、看護師さんまでもがかぶりついていて、その中に母の姿もあった。
その光景を遠巻きに見て、テレビの向こうの凄惨な事実と、それに食い入るように見つめる、
まさに命と向き合い、病気と戦う人々とのコントラスト・・
助からなかった大勢の命と、助かるべく治療に向かう、向かうことが出来る命との対比・・

何だか不思議な感覚と共に、その理不尽さ、神が仕向けたのかその無情さみたいなものに、
なんとも言えない切なさ、やるせなさ、悲しさまでもが覆い、涙が出て来た。

一方、あの事故を受けて、なぜ技術の粋を集めた、安全神話の象徴とも言えるあの機体が
堕ちねばならなかったのか、新聞を読み、可能な限りニュースを追った。
だが、それだけではどうしても納得がいかないという思いから、航空機関連、
航空安全工学の類の書籍まで手を出し夢中で読み漁った。

この事故をきっかけに、これまで抱いていた純粋な航空機への、空への憧れ・・
その裏側や向こう側には、あらゆる分野にまで及ぶ広範な見地と、高度な技術を保つため、
向上させるため何が必要なのか・・そんなシビアな所にまで目を向けさせる事となった。

「好き」や「あこがれ」があるからこそ、現実にも目を向けねばならない・・
観たくない、楽しくないことにも、有無を言わず考えを及ぼさねばならない・・
そのことを教えてくれたし、その中で何より大きかったのが、
航空機の安全工学における理念は、あらゆることと共通している重要な要素が満載であり、
そこにある『フェールセーフのメカニズムと理論』は、実に広範な事項にも当て嵌まる、
人間が現代の社会や生活を送る上でも共通することである・・ということだ。

「ミスは起こって当たり前なこと」。
それを頭から全否定せず、どのようにして極力最小段階で食い止めるか・・
その為にはあらゆる要件の充実と共に、『風通し』『透明性』が何よりも重要だということ・・。
それら基に、日々航空機の安全は進化を遂げ飛躍的に向上しているものの、
それでも完全にはなくならない。

それを考えた時、原発工学や環境はどうなのか。
航空機の世界と同様、高度な先端工学でありながら、あまりにも差があり過ぎる。
航空安全工学の歴史や進化・内容と比較しても、目を疑うほど不健全で硬直している。

日本に限って言えば、原発事故における原点の部分にも、この日航機事故が
本来は教訓として良い参考材料、参考書であったにもかかわらず、同じ日本人が、
同じ技術者や同じ官僚・各種機関が活用して来なかったといえよう。

何のための、大勢の尊い犠牲であったのか・・。
犠牲者達の魂は、航空機の安全向上だけではなく、
他の分野の発展や向上にも役立てて欲しい・・
天の上からそう願っているはずではないのだろうか。

この事故の重い記憶、鎮魂と合わせて、「喉元すぎれば・・」の体質を戒める、
自らを含むあらゆる人々の生活に、教訓として刻むことが何よりも大切だろう・・。


■犠牲者しのび灯籠流し=「風化させない」―日航機墜落、12日で30年
(時事通信社 - 08月11日 20:01)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=4&from=diary&id=3561811
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