昨日東京ステーションギャラリーに「鴨居玲展」を観に行った。その感想記は後日改めて書くとして(たぶん長くなりそうだから)、気になったことを記しておく。
記憶は定かでないが鴨居玲を知ったと同時に彼の顔写真をみた。好みは別としていいオトコである。そしていい写真だ。
私の中では、鴨居玲は何故か吉行淳之介とイメージが重なる。とてもダンディでお洒落、でも茶目っ気があって、かわいいところもある。オトナの夜、バーカウンターが似合いそうで、オンナにもてる。その実、内面には深く暗い闇を抱えていて、人間の暗部を身を削るようにして描き出す。
吉行淳之介には別居中の奥さんがいたが、宮城まり子との仲は半ば公然で、ぶつかりながらも吉行が亡くなるまで続いた。
鴨居玲の家族は?
服飾デザイナーと結婚したらしい。でも、これらの写真を撮った富山栄美子という写真家とずっと同棲していて、離婚は死ぬ2年前。富山栄美子の写真は1970年から始まり、1985年亡くなるまで続く。最後の写真は死直後のアトリエ。
鴨居玲の女性関係や富山栄美子のことはネットで調べる限りあまり出てこない。ただ写真集が出されている。
スペインの「私の村」で少女とおどけて踊る写真もあれば
愛犬の足を洗う写真もあれば
真夜中のアトリエで一人孤独に背を丸めてキャンバスに向かう写真もある
そして、眉間に皺を寄せた厳しい横顔・・・
鴨居玲の絵をみて鴨居玲をもっと知りたくなったと同時に
写真家富田栄美子という人もすごく知りたい。
子供のような彼を大きく包んで支えたのか、
それとも同士のように激しくぶつかり合い共鳴し合ったのであろうか。
追記、鴨居玲の父親は新聞記者、姉鴨居羊子は有名な下着デザイナーである。
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