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2015年06月12日23:58
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【解説】ランボルギーニ・カウンタックＬＰ４００(１９７４〜１９７８)
キングオブスーパーカー、ランボルギーニ・カウンタックの解説をモデル毎にしていこうと思います。
まずはＬＰ４００から。
ティーポ１１２のプロジェクトは、『打倒フェラーリ』を掲げて１９７０年春に立ち上がりました。
開発チーフはパオロ・スタンツァーニが担当、デザインはカロッツェリア・ベルトーネのチーフデザイナーであるマルチェロ・ガンディーニが担当しました。
まずパフォーマンス面では、フェラーリの４３９０ｃｃＶ型１２気筒エンジンに対抗するために５リッターエンジンの開発を掲げました。
そしてミウラの欠点であった横置き１２気筒エンジンからくるバランスの悪さや整備性の悪さを改善するため、ミッション共々縦置きにし左右均等の吸排気レイアウトを採用、ラジエターなどの重量物も左右に搭載することで重量配分の最適化を図りました。
１９７１年のジュネーブショーでデビューしたＬＰ５００クンタッシ(クンタッシはイタリア南部の方言で驚きを意味する感嘆詞)は『４９７１ｃｃ ４４０ｐｓ ３００ｋｍ／ｈ』という簡素なスペックだけで公開されましたが、大きな反響を得ました。
１９７２年の春に販売される予定でしたが、開発は難航しました。
慢性的な資金不足の中、ボブ・ウォレスによって１台しかないプロトタイプは手を加えられながら開発車両となりましたが、オーバーヒート対策に追われました。
ボディには後の量産モデルのようなＮＡＣＡダクトやインテークボックスが備えられました。
エンジンそのもののパフォーマンスも上がらず(実際には３９２９ｃｃのエンジンだったという説も…)３００ｋｍ／ｈという最高速は到底達成できるものではありませんでした。
オーバーヒート対策が済むと、今度はボディ剛性の不足が問題となりました。
スタンツァーニは設計当初から量産車はモノコック(プロトタイプはセミモノコック構造だった)と決めていましたが、プロトタイプでの検討の結果、コストや生産性の悪化を覚悟したうえで鋼管スペースフレームを採用しました。
結局プロトタイプは構造が違うにもかかわらずクラッシュテストに使用され、破棄されてしまいました。
量産型カウンタックのフレームはマルケージ社製で、フレームだけでオブジェになると言われるほど緻密なもの。
ちなみにマルケージ社の倉庫には、今も新品のカウンタックのフレームが多数残っています。
１９７２年に製作された量産先行モデルのＳ／Ｎ：１１２０００１です。
当時はレッドのボディカラーでしたが、翌７３年に現在のグリーンへと変更されました。
紆余曲折の中、１９７４年から販売が開始されたのが初代モデルとなるＬＰ４００です。
トヨタのミドシップオープンスポーツカー『ＭＲ−Ｓ』と同じ２４５０ｍｍという短いホイールベースの中に、３７５ｐｓを発生する３９２９ｃｃＶ型１２気筒ＤＯＨＣ２４バルブエンジンと５速マニュアルトランスミッションを搭載、ボディは多くの部分をプロトタイプのスチールパネルからアルミニウムに変更、応力を受けない部分にはＦＲＰを採用し、車両重量はカタログスペックで１０６５ｋｇと公表されましたが、実際には１２００ｋｇ程度の車重があります。
カウンタックのパワートレーンは、エンジンからの出力を前方のトランスミッションへ伝達し、１８０°方向転換してエンジンオイルパンの中を通るメーンドライブシャフトを介して後部に備えられたＺＦ製のＬＳＤが組み込まれたディファレンシャルへと伝えられ後輪を駆動するというものでした。
これは将来的な４ＷＤ化(後にディアブロで実現)を考慮したものとも言われていますが、短いホイールベースの中にこのユニットを収めるために考えられた手法であり、後の縦置き１２気筒ミドシップモデルは元より、ブガッティＥＢ１１０でもこの手法が使われています。
サスペンションは４輪ダブルウィッシュボーン／コイル、ブレーキも４輪ディスクを採用、タイヤサイズはプロトタイプ同様１４インチで、ホイールの意匠はウラッコと同じカンパニョーロ製です。
ＬＰ４００はＳ／Ｎ：１１２０００２〜１１２０３００までの１５０台が生産されました。
日本で最も有名なＬＰ４００といえば、ラン＆ランの関口英俊さんが所有している日本上陸第２号車のオレンジの個体です。
当時のままのオリジナル塗装が今も維持されています。
こちらも有名な個体です。
モータージャーナリストの西川淳さんの愛車、右ハンドルのＬＰ４００です。
イギリス仕様なので当然のように右ハンドルです。
元々ケンウッドの広告に使用された白いＬＰ４００Ｓ仕様だったこの個体、ラン＆ランで現在の仕様にレストアされました。
フロントバンパーはプロトタイプをイメージしたものです。
さてカウンタックと言えばカナダの石油王、ウォルター・ウルフ氏のカウンタックを忘れてはいけません。
ウルフ氏が最初に購入したのは量産４号車となるＳ／Ｎ：１１２０００７です。
カウンタックＬＰ４００ Ｓ／Ｎ：１１２０００７
ジュネーブショーでも展示が行われたというこの個体。
近年京商などからミニカーとして発売されたあの個体です。
イオタＳＶＲと同タイプのルーフウイングが特徴的です。
カラーリングが特徴的なウルフ０号車。
ウルフ氏が手放した後、サンタアガタで改修を受けたこの個体は、アメリカ、ドイツを経由してスーパーカーブームの真っただ中に日本へと渡ってきました。
現在も日本国内にあると言われています。
しかしパフォーマンスに不満を持ったウルフ氏が特注でオーダーしたのが、かの有名なウルフ１号車です。
カウンタックＬＰ４００ Ｓ／Ｎ：１１２０１４８
現在はアウトモビリ・ヴェローチェの岡戸栄一さんが所有しています。
当時のオーダーシートは『ＬＰ４００ ＃１１２０１４８ 外装：Ｒｏｓｓｏ Ｓｐｅｃｉａｌ 内装：Ｓａｎａｐｅ(からし色) 出荷：１９７５年８月１日 出荷先：Ｗ．Ｗｏｌｆ』となっています。
価格はノーマルの４倍となる４０万マルクだったと言われています。
友人でもあるジャンパオロ・ダラーラへ依頼して製作された最初のモデルは、エンジンはほぼノーマルながら最終減速比がローギヤード化され、アルミ叩き出しによって成形されたフロントスポイラーとオーバーフェンダー、角度調整式リヤウイング、１５インチワイドホイールとピレリＰ７タイヤ、小径ステアリングホイールとハーネス、ウルフ氏の特別オーダーであることを示すシリアルプレートが装備されています。
１号車はプレゼンテーション用の意味合いもあり、これを気に入ったウルフ氏は２号車をオーダーします。
カウンタックＬＰ４００ Ｓ／Ｎ：１１２０２０２
現在はイタリアにあるという２号車です。
オーダーシートは『ＬＰ４００ ＃１１２０２０２ 外装：Ｂｌｕｅ Ｍｅｔ 内装：Ｓｅｎａｐｅ 出荷：１９７６年８月６日 出荷先：Ｗ．Ｗｏｌｆ』となっています。
エンジンは４８７９ｃｃへ拡大されたスペシャルエンジンで、パワーアップに伴いリヤサスペンションが強化されています。
現在はノーマルエンジンを搭載しています。
カウンタックＬＰ４００スペチアーレ Ｓ／Ｎ：１１２０２２２
当時ダラーラ氏がウルフ２号車の開発のために製作したと言われるモデルです。
ウイングこそないものの、フェンダーやホイールなど外装はウルフ・カウンタックと同意匠です。
Ｓ／Ｎ：１１２０２２２は最終的にハイチへ出荷されましたが、現在は日本にあります。
もう一つ忘れてはならないのがＬＰ５００Ｒの存在です。
カウンタックＬＰ４００ Ｓ／Ｎ：１１２０１４４
シャシーナンバーを見れば分かる通り、ＬＰ５００Ｒはウルフ１号車の２台前、ほぼ同時に生産されたことになります。
日本上陸時はサイドのレタリングはＬＰ５００となっていました。
その後クワトロバルボーレ仕様になっていたこの個体は、再び当時の姿に復元されました。
レタリングはその時にＬＰ５００Ｒとなりました。
現在は『名古屋組』(ＮＧＹＧ)の高山義博さんが所有しています。
１９７４ランボルギーニ・カウンタックＬＰ４００ 車両諸元
全長：４１４０ｍｍ
全幅：１８９０ｍｍ
全高：１０７０ｍｍ
ホイールベース：２４５０ｍｍ
トレッド(Ｆ／Ｒ)：１５００／１５２０ｍｍ
車重：１０６５ｋｇ ※実際は１２００ｋｇ程度
エンジン形式：水冷６０°Ｖ型１２気筒ＤＯＨＣ２４バルブ
ボア×ストローク：８２×６２ｍｍ
総排気量：３９２９ｃｃ
圧縮比：１０．５
燃料供給装置：ウェーバー４５ＤＣＯＥ×６
最高出力：３７５ｐｓ／８０００ｒｐｍ
最大トルク：３６．８ｋｇｍ／５５００ｒｐｍ
燃料タンク：１２０リットル(６０×２)
トランスミッション：５速マニュアル
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��１．３１０
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Ｒ：２．１３４
最終減速比：４．０９１
ステアリング形式：ラック＆ピ二オン
サスペンション形式：前後ダブルウィッシュボーン＋コイル／スタビライザ
ブレーキ形式：前後ベンチレーテッドディスク
ホイールサイズ(Ｆ／Ｒ)：７．５Ｊ×１４／９Ｊ×１４
タイヤサイズ(Ｆ／Ｒ)：２０５／７０ＶＲ１４ ／ ２１５／７０ＶＲ１４ ミシュランＸＷＸ
まずはＬＰ４００から。
ティーポ１１２のプロジェクトは、『打倒フェラーリ』を掲げて１９７０年春に立ち上がりました。
開発チーフはパオロ・スタンツァーニが担当、デザインはカロッツェリア・ベルトーネのチーフデザイナーであるマルチェロ・ガンディーニが担当しました。
まずパフォーマンス面では、フェラーリの４３９０ｃｃＶ型１２気筒エンジンに対抗するために５リッターエンジンの開発を掲げました。
そしてミウラの欠点であった横置き１２気筒エンジンからくるバランスの悪さや整備性の悪さを改善するため、ミッション共々縦置きにし左右均等の吸排気レイアウトを採用、ラジエターなどの重量物も左右に搭載することで重量配分の最適化を図りました。
１９７１年のジュネーブショーでデビューしたＬＰ５００クンタッシ(クンタッシはイタリア南部の方言で驚きを意味する感嘆詞)は『４９７１ｃｃ ４４０ｐｓ ３００ｋｍ／ｈ』という簡素なスペックだけで公開されましたが、大きな反響を得ました。
１９７２年の春に販売される予定でしたが、開発は難航しました。
慢性的な資金不足の中、ボブ・ウォレスによって１台しかないプロトタイプは手を加えられながら開発車両となりましたが、オーバーヒート対策に追われました。
ボディには後の量産モデルのようなＮＡＣＡダクトやインテークボックスが備えられました。
エンジンそのもののパフォーマンスも上がらず(実際には３９２９ｃｃのエンジンだったという説も…)３００ｋｍ／ｈという最高速は到底達成できるものではありませんでした。
オーバーヒート対策が済むと、今度はボディ剛性の不足が問題となりました。
スタンツァーニは設計当初から量産車はモノコック(プロトタイプはセミモノコック構造だった)と決めていましたが、プロトタイプでの検討の結果、コストや生産性の悪化を覚悟したうえで鋼管スペースフレームを採用しました。
結局プロトタイプは構造が違うにもかかわらずクラッシュテストに使用され、破棄されてしまいました。
量産型カウンタックのフレームはマルケージ社製で、フレームだけでオブジェになると言われるほど緻密なもの。
ちなみにマルケージ社の倉庫には、今も新品のカウンタックのフレームが多数残っています。
１９７２年に製作された量産先行モデルのＳ／Ｎ：１１２０００１です。
当時はレッドのボディカラーでしたが、翌７３年に現在のグリーンへと変更されました。
紆余曲折の中、１９７４年から販売が開始されたのが初代モデルとなるＬＰ４００です。
トヨタのミドシップオープンスポーツカー『ＭＲ−Ｓ』と同じ２４５０ｍｍという短いホイールベースの中に、３７５ｐｓを発生する３９２９ｃｃＶ型１２気筒ＤＯＨＣ２４バルブエンジンと５速マニュアルトランスミッションを搭載、ボディは多くの部分をプロトタイプのスチールパネルからアルミニウムに変更、応力を受けない部分にはＦＲＰを採用し、車両重量はカタログスペックで１０６５ｋｇと公表されましたが、実際には１２００ｋｇ程度の車重があります。
カウンタックのパワートレーンは、エンジンからの出力を前方のトランスミッションへ伝達し、１８０°方向転換してエンジンオイルパンの中を通るメーンドライブシャフトを介して後部に備えられたＺＦ製のＬＳＤが組み込まれたディファレンシャルへと伝えられ後輪を駆動するというものでした。
これは将来的な４ＷＤ化(後にディアブロで実現)を考慮したものとも言われていますが、短いホイールベースの中にこのユニットを収めるために考えられた手法であり、後の縦置き１２気筒ミドシップモデルは元より、ブガッティＥＢ１１０でもこの手法が使われています。
サスペンションは４輪ダブルウィッシュボーン／コイル、ブレーキも４輪ディスクを採用、タイヤサイズはプロトタイプ同様１４インチで、ホイールの意匠はウラッコと同じカンパニョーロ製です。
ＬＰ４００はＳ／Ｎ：１１２０００２〜１１２０３００までの１５０台が生産されました。
日本で最も有名なＬＰ４００といえば、ラン＆ランの関口英俊さんが所有している日本上陸第２号車のオレンジの個体です。
当時のままのオリジナル塗装が今も維持されています。
こちらも有名な個体です。
モータージャーナリストの西川淳さんの愛車、右ハンドルのＬＰ４００です。
イギリス仕様なので当然のように右ハンドルです。
元々ケンウッドの広告に使用された白いＬＰ４００Ｓ仕様だったこの個体、ラン＆ランで現在の仕様にレストアされました。
フロントバンパーはプロトタイプをイメージしたものです。
さてカウンタックと言えばカナダの石油王、ウォルター・ウルフ氏のカウンタックを忘れてはいけません。
ウルフ氏が最初に購入したのは量産４号車となるＳ／Ｎ：１１２０００７です。
カウンタックＬＰ４００ Ｓ／Ｎ：１１２０００７
ジュネーブショーでも展示が行われたというこの個体。
近年京商などからミニカーとして発売されたあの個体です。
イオタＳＶＲと同タイプのルーフウイングが特徴的です。
カラーリングが特徴的なウルフ０号車。
ウルフ氏が手放した後、サンタアガタで改修を受けたこの個体は、アメリカ、ドイツを経由してスーパーカーブームの真っただ中に日本へと渡ってきました。
現在も日本国内にあると言われています。
しかしパフォーマンスに不満を持ったウルフ氏が特注でオーダーしたのが、かの有名なウルフ１号車です。
カウンタックＬＰ４００ Ｓ／Ｎ：１１２０１４８
現在はアウトモビリ・ヴェローチェの岡戸栄一さんが所有しています。
当時のオーダーシートは『ＬＰ４００ ＃１１２０１４８ 外装：Ｒｏｓｓｏ Ｓｐｅｃｉａｌ 内装：Ｓａｎａｐｅ(からし色) 出荷：１９７５年８月１日 出荷先：Ｗ．Ｗｏｌｆ』となっています。
価格はノーマルの４倍となる４０万マルクだったと言われています。
友人でもあるジャンパオロ・ダラーラへ依頼して製作された最初のモデルは、エンジンはほぼノーマルながら最終減速比がローギヤード化され、アルミ叩き出しによって成形されたフロントスポイラーとオーバーフェンダー、角度調整式リヤウイング、１５インチワイドホイールとピレリＰ７タイヤ、小径ステアリングホイールとハーネス、ウルフ氏の特別オーダーであることを示すシリアルプレートが装備されています。
１号車はプレゼンテーション用の意味合いもあり、これを気に入ったウルフ氏は２号車をオーダーします。
カウンタックＬＰ４００ Ｓ／Ｎ：１１２０２０２
現在はイタリアにあるという２号車です。
オーダーシートは『ＬＰ４００ ＃１１２０２０２ 外装：Ｂｌｕｅ Ｍｅｔ 内装：Ｓｅｎａｐｅ 出荷：１９７６年８月６日 出荷先：Ｗ．Ｗｏｌｆ』となっています。
エンジンは４８７９ｃｃへ拡大されたスペシャルエンジンで、パワーアップに伴いリヤサスペンションが強化されています。
現在はノーマルエンジンを搭載しています。
カウンタックＬＰ４００スペチアーレ Ｓ／Ｎ：１１２０２２２
当時ダラーラ氏がウルフ２号車の開発のために製作したと言われるモデルです。
ウイングこそないものの、フェンダーやホイールなど外装はウルフ・カウンタックと同意匠です。
Ｓ／Ｎ：１１２０２２２は最終的にハイチへ出荷されましたが、現在は日本にあります。
もう一つ忘れてはならないのがＬＰ５００Ｒの存在です。
カウンタックＬＰ４００ Ｓ／Ｎ：１１２０１４４
シャシーナンバーを見れば分かる通り、ＬＰ５００Ｒはウルフ１号車の２台前、ほぼ同時に生産されたことになります。
日本上陸時はサイドのレタリングはＬＰ５００となっていました。
その後クワトロバルボーレ仕様になっていたこの個体は、再び当時の姿に復元されました。
レタリングはその時にＬＰ５００Ｒとなりました。
現在は『名古屋組』(ＮＧＹＧ)の高山義博さんが所有しています。
１９７４ランボルギーニ・カウンタックＬＰ４００ 車両諸元
全長：４１４０ｍｍ
全幅：１８９０ｍｍ
全高：１０７０ｍｍ
ホイールベース：２４５０ｍｍ
トレッド(Ｆ／Ｒ)：１５００／１５２０ｍｍ
車重：１０６５ｋｇ ※実際は１２００ｋｇ程度
エンジン形式：水冷６０°Ｖ型１２気筒ＤＯＨＣ２４バルブ
ボア×ストローク：８２×６２ｍｍ
総排気量：３９２９ｃｃ
圧縮比：１０．５
燃料供給装置：ウェーバー４５ＤＣＯＥ×６
最高出力：３７５ｐｓ／８０００ｒｐｍ
最大トルク：３６．８ｋｇｍ／５５００ｒｐｍ
燃料タンク：１２０リットル(６０×２)
トランスミッション：５速マニュアル
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Ｒ：２．１３４
最終減速比：４．０９１
ステアリング形式：ラック＆ピ二オン
サスペンション形式：前後ダブルウィッシュボーン＋コイル／スタビライザ
ブレーキ形式：前後ベンチレーテッドディスク
ホイールサイズ(Ｆ／Ｒ)：７．５Ｊ×１４／９Ｊ×１４
タイヤサイズ(Ｆ／Ｒ)：２０５／７０ＶＲ１４ ／ ２１５／７０ＶＲ１４ ミシュランＸＷＸ
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