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2015年06月04日14:51

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「サンドラの週末」

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カンヌ映画祭パルムドールを2度受賞したベルギーのジャン=ピエール・ダルデンヌ、
リュック・ダルデンヌ兄弟による社会派ドラマ。

鬱病で休職していたサンドラ(マリオン・コティヤール)がようやく回復し、
仕事に戻ろうとした矢先、クビを言い渡される。
彼女が職場に復帰するには、同僚のボーナス1000ユーロの全額カットが条件。
同僚16人のうち過半数がそれに同意したら、復帰を許すと。

なんという条件。
自分が職場に戻りたいから、あなたのボーナスをあきらめて?
そんなこと私には絶対言えない。
そしてサンドラも決して強い女性ではない。
クビを言い渡されただけで泣き崩れるくらい。
その彼女が、夫や友人に励まされながら薬(おそらく安定剤)を飲みながら
土日の二日間、16人の同僚を説得しに廻るのです。
居留守を使われたり、露骨に嫌な顔をされたりして何度も挫けながら。

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言うまでもなく、1000ユーロのボーナスを簡単にあきらめてくれる人などいない。
君を応援したいけど、生活にはお金が必要。面倒を持ち込まないでくれ。
誰しもそれが本音でしょう。
そして同僚の誰もが、生活に大変そうなのです。
こんな嫌な役目を病み上がりのサンドラがどうこなし、同僚はどう答えるのかと
ハラハラしながら観て行くと…

ダルディンヌ監督にしては、捻りが少なかったのではないかとも思います。
ずっと悪役の主任が実はよい人だったとか
どんでん返しがあるのではと期待しましたが、それもなく。
最後に救いはありましたが、正直に言えば私には少々物足りなかった。
それでもあの二日間があったからこその
最後のあの笑顔を、サンドラは見せることができたのだろうと。
原題「TWO DAYS, ONE NIGHT」通りの、2日と1夜のサンドラの闘いは
生活のためだけでなく、自分が生きる自信を取り戻すためのものであったのです。

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それにしても一人のリストラを、従業員同士に話し合わせて決めさせるなんて。
日本では考えられないことです。
こんなことが向こうではあり得るのかと思いますが
プジョー社で実際に会った不当解雇問題に着想を得た、と監督は語ったのだそうです。
マリオン・コティヤールが、すっぴん、タンクトップ、Gパン姿で熱演。
音楽もなく、ひたすら淡々と彼女の二日間を描いた、ドキュメンタリーのような映画です。
http://www.bitters.co.jp/sandra/
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