大阪都構想が僅差で否決されました。
維新対その他と言う構造にもかかわらず、僅差でした。
私みたいな京都の人間は、地名が変わると言う一点が面白くないですが、
内容自体は、大阪の公的な借金返済の為の比較的健全な案だと思ったのですがね。
今朝、地域別の賛成・反対のデータを見ていたら、
市の北の方や中央地域は賛成で、南の方は反対の結果が鮮明に出ていました。
北は、梅田を中心とした、経済の中心地域で、
中央地域は、難波・心斎橋を含めた商業地域です。
この、2つの地域は、再編後、税制が健全な「豊か」な地域です。
それに対して、異議を唱える地域は、中小企業が経済の主力の地域です。
ボーッとニュースを聞いていると、よく似た話を思い出しました、
それは、「ユーゴスラビア紛争」です。
冷戦の終結に、民族の自立と言う気運が高まり、ソビエトから分離独立する国が沢山出ました。
そんな気運はユーゴスラビアにも伝播し、真っ先にスロベニアが独立を表明します。
スロベニアは、地理的条件からあっさり独立を達成、次にクロアチアが独立を表明します。
そこから血を血で洗う凄惨な内戦になるわけですが、
これは、スロベニアは、工業が発達し、西側に匹敵する国が経済圏だったためです。
次いで安定したクロアチアが独立表明した形です。
鈴木明氏の著書に、ユーゴスラビア取材の際に見聞きした、人種的な軋轢の話がありました、
彼らには、有色人種に関する人種差別は無い、有るのは同国内、
例えば、酒場で始まる議論では、ユーゴスラビアの利益の話ではなく、
クロアチアに利益をとか、セルビアの拡大をとかが叫ばれると。
日本には無い違和感を感じたとありましたが、
十数年後、チトー氏が亡くなる事で、誰も軋轢を埋める事ができなくなり、
鈴木氏の違和感が現実になった時、非常に驚いた記憶が甦りました。
自民党は、極めて悪質と判決を受けた民社党議員とまで手を組んで反対運動を展開したのに、
この僅差であった事実を考えるべきだと思います。
鈴木氏の著書を読んだ時の違和感と、
今回の投票前後の報道に同じにおいを感じたような気がします。
双方の主張が明確でなく、歩みよりや話し合う余地の無いまま、
投票と言う方向を取ったせいかも知れません。
いずれにせよ、政治家自身が理解していなさそうな言動のまま、民意を問うのはどうかと。
初夏の大阪の陣は違和感でいっぱいです。
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