ブラックタイガーは手頃な値段で買えるエビとしては、アルゼンチンアカエビと並んで最
高に美味いエビだと思っている。それもこれも東南アジアなどで大量にこのエビが養殖さ
れているからなのだが、いっぽうでこの養殖が色んな問題をはらんでいる。
南方の浅い汽水域を好むブラックタイガーだが、こうした水域にはマングローブが密林を
形成している。そこに養殖池を作ろうとするとマングローブが邪魔なので伐採する。これ
が環境破壊を生み出しているのだ。現地住民にとってはエビの養殖は、このうえなく儲か
る商売である。アメリカや日本や中国がバンバン買ってくれる。
目先に金のなる木がぶら下がってるのだから、環境破壊なんか知ったこっちゃない。次か
ら次へとマングローブは切り倒されていくわけだ。こうした環境破壊は、現地のエビ養殖
業者が悪いのか?そのエビを喜んで食ってる消費者が悪いのか?日本人はその消費者の筆
頭にも挙げられるのだから無関心で良いのだろうか?どうなんだろう。
まあそんな問題もブラックタイガーのせいではない。ただしこのブラックタイガー。確か
に1990年代は輸入養殖エビの代表種であったのだが、現在ではそうではなくなった。
次に挙げるエビが取って代わってその座に就いたからである。そのエビが、リトペナエウ
ス属に属するバナメイだ。
バナメイは完全な外国種で、日本には近縁種もいない。このエビもブラックタイガーと同
じく熱帯、亜熱帯の汽水域に生息する。なので現在はブラックタイガーからバナメイに養
殖の中心がシフトしてしまった。
ではなぜバナメイが養殖エビの代表の座を獲得したのであろうか。
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