■マーク・ピーターセン「日本人の英語はなぜ間違うのか?」2014年集英社インターナショナル刊
4月になって新年度が始まると、なぜだか向学心が芽生えるのは、まぁ
いいことかなと思っている。
大学を卒業して、もう38年経つが、心身が、この季節に反応しているのですね。
4月になって、NHKの英会話テキストを購入したのは、中学生のとき、高校生の
とき、大学生のとき、社会人になってからと、今まで4回あったが、いずれも、
2ヶ月と持たなかったのは、なにより、私の怠惰のせいです。
著者のマーク・ピーターセンさんは、一昨年、岩波新書の「実践 日本人の英語」
以来だが、もう20年以上、大学で日本人の学生に英語を教えてこられた方なので
日本人が学ぶ英語のウィークポイントを的確に把握していらっしゃいます。
本書の惹句を紹介しますね。
“ 英語が通じない理由は、中学校の教科書にあった!?
ベストセラー『日本人の英語』などで日本人の英語の弱点を指摘してきた著者が、
今回取り上げるのは、全国の中学生が使用している英語教科書。”
“教科書に含まれる数々の間違い・問題点を指摘し、その解決策を提示し、
使える英語・本物の英語を伝授する。
日本人が見過ごしてきた根本的な問題点にせまる新作書き下ろし。”
“ネイティヴ・スピーカーの英語に近づくヒントがいっぱい!ベストセラー作家が教える
リアル・イングリッシュ。英語下手の原因は中学校の教科書にあった!?奇妙な英語よ、
さ・よ・う・な・ら。 ”
仕事は、ドメスティックなので、英語を使用する差し迫った必要はないのだが、
本書を読むと、英語という言語の特性が、如何に日本語と違うのかが分かって、
そのあたりが、道楽読書として、面白いのかなと思ったりする。
章立てと小見出しを、ともに抜粋して、紹介しちゃいますね。
第1章 英語教科書が抱える問題
・あり得ない英語が掲載されている教科書
第2章 時制が足りない日本人の英語
・「村上春樹の紹介文」にみる時制の問題
・「過去完了形」を「過去形」で代用できるか
第3章 冠詞theと数への無関心
・教科書にみられる間違ったtheの用法
・複数を単数にしてしまう教科書
第4章 基本動詞・助動詞を使いこなす
・be going to とwillを使い分ける
・must=have toではない
第5章 仮定法の基本を理解する
・仮定法なしでは英語にならない
・couldはcanの過去にあらず
第6章 人気者“so”の用法に関する誤解
・日本人はsog大好き
・soを使うほどの因果関係があるのか?
第7章 itとthatと使い分ける
・itとthatの微妙な使い分け
・「それ」と言えば、itしか使えない
第10章 自然な英語を書くために
・「因果関係」がおかしい英文
・英語としてあり得ない奇妙な相づち
それなりに、英語に関心がある日本人にとって、ドキッとするような章立て
と小見出しが並んでいます。
でも、まぁ、大半の日本人にとって、英語は外国語なんで、ニュアンスと
言われても、よくわかりませんですよね。
本書は、その原因が、日本の中学英語教科書にあるのではないかと、
ネイティブにとって不自然な英語のオンパレードの、中学教科書を渉猟して
例文として紹介しています。
学習指導要領で、小学生から英語を教科にしようというのですから、文科省も
本書の指摘を真摯に受け止めたほうがよいのかもしれません。
60の手習いに英会話をNHKテキストを購入しようかなと、ふと思ったりして♪(笑)
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