「仲代達矢　「役者」を生きる」

黒澤明の「影武者」など150本もの映画に出演し、
主演舞台は60本を超える名優・仲代達矢。
80歳を越えた今も現役で、新作にチャレンジする
壮絶なまでのひたむきさを静かな眼差しで描いたドキュメンタリー。

仲代達矢は1932年東京に生まれ、俳優養成所を経て
1955年に戸を叩いた「俳優座」から役者のキャリアをスタートさせた。
黒澤明、小林正樹、市川崑、木下恵介、岡本喜八、五社英雄など
日本映画の黄金時代を築いた巨匠監督たちとずっと一緒に仕事をしてきた。
1975年、自らの意思で愛妻とともに劇団「無名塾」を立ち上げ、
数多くの新人俳優を養成してきた。
「無名塾」は40周年。
80歳の仲代は俳優歴は60年。
ここに来て、初期に妻と一緒に見て感化されたウジェーヌ・イヨネスコの
不条理劇「授業」の舞台設計に初めて挑むことになった。
膨大なセリフを筆で一字一句もれなく紙に書き写し、部屋中それを貼り付ける。
まるで台本の中で暮らしているかのような極限状況に自分を追い込んで
長いセリフと格闘し続ける。
「無名塾」のオーディション、舞台稽古、ゲネなどを通じ
演じることの重さに耐えながら、役者として生きる人間の姿を描き出す。
演技に生きる者も志す者も演出するものにも
きっと強烈なインパクトを与える作品。
監督は「二重被爆」「書くことの重さ　作家 佐藤泰志」の稲塚秀孝。

監督　稲塚秀孝
プロデュース　稲塚秀孝
撮影　三浦貴広　油谷岩夫
録音　内田丈也
音効　塚田大　田村崇典
ミキサー　永田恭紀
編集　橋本昌幸
助監督　池田春花
語り　鈴木杏

大阪は上映済み
4月4日より神戸 元町映画館ほか