タバコを吸うと吸い殻が出ます。
吸い殻がたまると臭いがします。
喫煙者だからと言って、タバコの臭いが平気なわけではないのです。
灰皿に捨てられたタバコは、生理的嫌悪感を催す臭いを発します。
あの臭いをかぐと、特に意味もなくいやあな気分になります。
だからと言って、灰皿を頻繁に掃除するのも面倒です。
私の場合は、マメにやったとしても1日1回がいいところです。
何の処理もせずに吸い殻がたまるに任せておくと、夕方にはちょっと臭ってきます。
なので、我が家の灰皿にはコーヒーの出し殻を入れてあります。
吸い終わったタバコの臭いを吸収してくれるのに加えて、
がんばって火を消さなくてもつっと差し込んでおけば勝手に火が消えるので
手間いらずなのです。
オタクでエンジニアな喫煙者は、エヴァに出てきた赤木リツコ博士の灰皿に
あこがれるものです。しかし、何の仕掛けもしないでタバコを吸っても、あんなふうに
吸い殻をためるのは難しく、格好よく吸い殻をためるには差し込んで立てておくための
基礎が必要なのです。
特にコーヒーが好きというわけでもなく、科学技術の結晶たるフリーズドライな
インスタントコーヒーに文句があるわけでもないのですが、出し殻を確保するために
毎日のようにレギュラーコーヒーを飲んでいるわけです。
この、誰に褒めてもらえるというわけでもないのに時間と労力を惜しみなく費やす
やせ我慢的なありようは、すでに一つの美学と言ってよいのではなかろうか。
などと、ひとり悦に入っているのです。
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