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2015年01月25日10:30

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「イロイロ ぬくもりの記憶」〜シンガポールのリアル

こんな生々しいシンガポール知らなかった。そりゃそうだ、何度か行ってるけどいつも美しい街並みにふれて美味いもの食べて帰ってくるだけだったから。観光をウリにしている国だから生活じみた部分は隠そうってなもんだ。「イロイロ ぬくもりの記憶」初めて知るシンガポールのリアル。小さな国のさまざまな問題が見えてくる傑作です。

この国は複合民族国家。物語も中華系の家族〜共働きの両親そしてやんちゃな一人っ子〜のところにフィリピン女性がメイドとしてやってくるところからはじまる。はじめのうちはなかなか彼女に心を開こうとしない一人っ子ジャールー、やがて…。舞台は1997年、そうアジア通貨危機のあった年。もちろんこの一大事はストーリーに大きく影を落としています。

メイドの来訪によって感情がさまざまに乱れる母親役のヤオ・ヤンヤン、“シンガポールの大竹しのぶ”といいたくなるそのリアルな演技が素晴らしい。まあアジア系演技派女優はたいがい“○○の大竹しのぶ”って言われますけどね。もちろんメイド役アンジェリ・バヤニもフィリピンを代表する女優、”外国映画初出演”だとか。

監督はシンガポール出身のアンソニー・チェン。この作品でカンヌ映画祭のカメラドールを獲ったとのこと(河瀬直美が獲った賞)。ちなみにイロイロというタイトルは監督が幼いころ実際に接したフィリピン人メイドの名前だとか。そして副題はこの作品を観たひとには実によくわかる、しみじみとした気持ちを表現するのにもっともふさわしいフレーズだと思います。
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