mixiユーザー(id:91293)

2015年01月22日04:30

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敵を知り、己れを知れば・・・

この件だけに限らず、今の日本人はいったいどれだけ物事を見ているのか、うすら寒さを感じるレベルだ。

まず、安倍政権がなぜ、外国へ行って、多くの金をばら撒いているか、ということが理解されていない。
「日本に困っているひとがたくさんいるのに」「復興に使え」というのがその例だろう。
日本政府が海外に支援を行う場合、支払うのは「円」ではなく国際基軸通貨である「ドル」で行われる。円借款は金額こそ円で決め、円で返してもらう契約になっているが、支出はドルだ。
そのドルは基本的に国民の税金ではない。これまで日銀などが為替介入などで損をして買ったドルであり、日本国内では塩漬けにしておくしかできない「金=外貨準備」だ。近いところでは安住元財務大臣が12兆円ばかりドルを買っている。これが原資。
安倍内閣の外遊はこれまでと大きく異なっている点がある。日本企業のトップを多く引き連れて行って、その支援金・借款の使い道として、日本企業が営業を行っている。
企業としてはドルで受注したらその金を円に両替し、国内で税金を収めることになるので、経常収支はプラスになり、日本政府の税収も増える。「金は天下のまわりもの」。
そこまでしなければならないほど。日本経済は疲弊していた、ということでもある。

そして7月1日の閣議決定。集団的自衛件うんぬんでマスコミが大騒ぎしたアレだ。
が、その数日前にイスラーム国が独立宣言を行っている。
アメリカやフランスが「正義」をかかげて現在、空爆などをやっているが、元はと言えば1979年のアフガニスタン戦争(ソビエトのアフガン侵攻)からずっと続いている。ソビエトは当時の正当なアフガニスタン政府から、反政府戦力を押さえてほしいと依頼をうけ、悩みになやんだ挙句、出兵したことが後の情報公開でわかっている。が、アメリカはソビエトを悪者にし、オリンピックをボイコットし、空爆を行い・・・アル・カイーダの恨みを買った。それが9・11につながり、アメリカがまた戦争をしかけ、日本の小泉政権が巻き込まれた(軍資金の一部を出したのは日本)。
結果として、イラクをめちゃくちゃにし、アル・カイーダは生き残った。
アラブの春もその続きにある。独裁者は悪だ!といってぶっつぶしたものの、チュニジアもリビアもエジプトもイラクも(その他の国も)平和になっていないし、豊かにもなっていない。逆に、石油輸出のおかげで税金もなく、医療も教育も無料で、どんな貧者でも食うに困らなかった国は独裁者を失って不安定なままになっている。
そして、油田はヨーロッパ系の石油メジャーなどが押さえにかかった。2013年、アルジェリアでの人質事件はそんな中で発生した。このとき、第二次安倍内閣発足直後で、日本は3年間の外交ギャップによって世界から孤立(に近い状態)しており、かつ、自衛権の発動もできず、民間人輸送もできず、アルジェリア軍に任せるほかの手は打てなかった。結果は・・・大変残念なことになってしまった。
その後も、欧米諸国はアル・カイーダの敵にまわった集団を支援していたらしい。それがISIS、イスラーム国の前身となっている。
7月1日の閣議決定は「国家の存立が脅かされる場合」という条件がついている。ひどい言い方をすれば、イスラーム国が人質を惨殺したとしても、日本国の存立はゆるがない。つまり、自衛隊を出動させる案件にはならないし、アメリカの戦争に加担することも「できない」。

原油価格の変動も、ひとつの要因になっている。アメリカのシェール革命以来、どういうわけか原油価格は高値を更新していた。シェールオイル・ガス採掘の採算ラインを上回るように。
が、イスラーム国はイラクなどの油田を押さえ、他の産油国より安く売りはじめた。噂では買い取っているのは欧米の石油メジャーだとも言うが・・・
そうなるとサウジアラビアも黙っていない。バレルあたり20ドルを下回っても減産しない、ということになった。当然、アメリカのシェールオイルは採算割れになるので、サウジアラビアとしては好都合だ。テロリスト集団に自分たちの収入源を奪われて困る産油国(敬虔なイスラーム国)も同様だろう。
イスラーム国にしてみれば、もっと安くなければ売れないので、収入源は減っていることになる。

一連の戦乱で発生した難民をもっとも多く受け入れているのがヨルダンだ。ちなみにヨルダンは産油国ではない。鉱業・農業などで国を支えていて、決して裕福な国ではない。対外債務は大変大きな額になっている。が、ヨルダンは王家の治世がよく、平和国家でありつづけている。軍がないわけではないが、きちんと「国民を守る」という任務についている。
その国が難民260万人を受け入れているのだ。外貨準備がある日本が支援することを非難されるいわれなどどこにもない。(ひとりあたり1日1ドルの支援としても、1億2800万ドルはせいぜい2ヶ月分でしかない)

さて、イスラーム国が行っていることだが、コーランに照らしても正当化はできないと私は考えている。(つい数ヶ月前、コーランを読み直していた)
イスラーム法では「返報法」、つまり、復讐が認められているが、それは「殺人に対しては死刑」ということであり、罪人は必ず「同じ報復」を受けることになっている。日本政府が行った支援(2億ドル)は、困っているイスラーム教徒に対する「喜捨」になる。ここでも当然、日本企業が随行しているので、その金で武器を買って、イスラーム国への攻撃に使う、という論理は成り立たない。ましてや平和国家ヨルダンは・・・イスラーム国から逃れてきた難民を受け入れているのである。
また、イスラーム国は「われわれは金目当てではない、その程度の金は毎日のように使っている」とまで言っている。それならば、イスラームの義務である「喜捨」を他国が行ったとしても、文句を言えることではない。
イスラームの基本は「神がすべてを見ている。神の教えを守り、神に誠実であれば、復活の日に神の楽園に招かれ、永遠に楽に、楽しく暮らせる」というものだ。背けばジャハンナム(地獄)が待っている。
神の使途(最後の使途がムハンマド)が認めないのであれば聖戦はありえず、罪人を確実に突き止めなければ返報法も摘要できない。つまり、私がコーランを読むかぎり、彼らのやっていることは神に背く行為になる。
それが「イスラーム=神への絶対的な信仰)」を名乗っていることがそもそもおかしい。
こんなことを私が言っていてもしかたないが、各国のイスラーム宗教的指導者たちもイスラーム国が神の啓示にしたがっているとは考えないだろう。そういうところから声明をもらうことができれば、人質をとり、身代金を要求するなど地獄行きの切符だと思い知らせることができるかもしれない。(仮定ばっかりだな・・・我ながら)

人質のうち、少なくともひとりは十分に尊敬できる人物だと思う。
彼らが無事、開放されることを心から願っているが、そうはならない可能性が高い。
なぜなら、日本の首相の最大の任務は「1億4000万人の生命・財産、そして日本という国の存立を守る」ことであって、ふたりの生命を守ることとは比較できないからだ。それがどれほどつらい決断かは・・・察するに余りある。

相手が正々堂々と勝負を挑んでくるなら、孫子の兵法も役立つ。が、相手はどこまでも卑怯者である。

■「厳しい時間との戦い」=政府、人質救出へ全力―安倍首相
(時事通信社 - 01月21日 19:01)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=4&from=diary&id=3236781
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