あきる野市さんぽ「東秋留駅北部・二宮神社から森山神社」
○「二宮神社」(二宮2252)
東秋留駅の北東に「二宮神社」があります。武蔵六所宮のうち二宮で、藤原秀郷が平将門追討の折、戦勝祈願したと伝えられます。9月9日の例祭は「しょうがまち」の名でよく知られています。また境内及びその周辺は、旧石器時代からの遺跡の宝庫です。本殿・宮殿は市指定有形文化財。
http://www.city.akiruno.tokyo.jp/contents_detail.php?frmId=1481
http://blogs.yahoo.co.jp/soh_m1975/47521107.html
http://www.city.akiruno.tokyo.jp/contents_detail.php?frmId=1495
【枯れない池】
二宮神社の東南側、道路を隔てた反対側にある湧水で、大量の湧出量を誇り、澄んだ美しい泉を作っています。日本武尊（やまとたける）が東征の際、国常立尊を祀ったところ水が湧き出し、以後涸れたことがないという池です。「笛を吹く男の銅像」のところで、昔は雨乞いが行われ、雨乞いの河童の像が立っています。東京の名湧水57選のひとつです。
http://www.city.akiruno.tokyo.jp/contents_detail.php?frmId=1482
http://www.city.akiruno.tokyo.jp/contents_detail.php?frmId=217
【二宮考古館】(二宮1151)
二宮神社の境内にあり、二宮森腰遺跡を始め市内各地で発掘された土器、石器等、縄文時代の埋蔵品を展示しています。毎週土曜日（休館日を除く）は、本物の土器や石器にさわることができる「さわれる土曜日」になっています。
http://www.city.akiruno.tokyo.jp/contents_detail.php?frmId=1066
【雨間の道標】
二宮考古館の玄関脇に「雨間の道標」があります。「右 御嶽山 大久野 平井 左 今熊山 五日市 伊奈 道」と刻まれています。元は雨間にあったものが移築されたものです。建立年代は記載が無いため不明です。残念ながら文字部分に色を入れられてしまっています。
【二宮城址】
二ノ宮神社は、大石氏の二ノ宮城があったといわれる場所のひとつです。大石氏家系略によれば「大石遠江守信重が延文年間（1356〜61年）に二ノ宮に居住す」とあります。しかし、たしかな証拠はありませんが、城址といわれるところに現在二ノ宮神社が建っています。大石氏は山内上杉氏の家臣ですがその出自ははっきりとはしていませんが、一説には武蔵国守護代（目代）を務めたともいわれています。在地の国人衆をまとめより上の存在として、一つの勢力を持っていたと思われます。一族は大きく散らばり、多摩から入間地方に大きな勢力を持っていたようです。しかし、強力な自らの領所（領地）と直轄家臣団を組織出来ず、やがて北条氏に吸収されてしまい、独立勢力とはなれなかったようです。地形的に要害な場所ではありませんが、台地の端に位置し涌き水が今でも存在します。大石氏の居城というよりは、在地土豪・二ノ宮氏の城址ではないかと思われます。
あるいは、もうひとつの伝承地である屋城小学校付近（伝二ノ宮城址）か法林寺（法林寺館跡）が、大石氏の二宮城だったのかもしれません。長尾景春の乱に大石氏は一時組し、太田道灌や主上杉定正に二宮城を攻撃されたと伝えられていますが、どのような防衛をしようと大石氏は思っていたのでしょう。
http://blogs.yahoo.co.jp/lunatic_rosier/36115199.html
【大坂（寺の坂・本宿坂）】
二宮神社の北側、二宮神社前交差点から北西に上る五日市街道は「大坂」（寺の坂・本宿坂）と呼ばれています。ここに五日市街道の「二宮本宿」がありました。
【のべ坂】
二宮神社前から五日市線の方へ下るゆるやかな坂は「のべ坂」と呼ばれています。傾斜はほとんどなく、坂名由来不明。
○「玉泉寺」(二宮2265)
二宮神社の北に「玉泉寺」があります。創立は不詳。現本堂・山門・鐘楼は元禄4年（1691）第4世詮海の代に落成したといいます。明治6年から明治24年まで、東秋留小学校の前身二宮小学校として使われていました。本堂の裏手に市指定天然記念物のエノキがあります。
【大樽平和観音】
境内には、北宿の醤油醸造元が寄進したとう醤油の仕込み用の大樽があり、その中に平和観音像があります。他に、北宿の醤油醸造元から寄進された大樽恵比寿があります。
http://www.city.akiruno.tokyo.jp/contents_detail.php?frmId=1483
http://www.portaltokyo.com/guide_tama/contents/c47032gyokusen.htm
【北宿坂（松街道の坂）】
玉泉寺の西側を北に下る坂は「北宿坂」（松街道の坂）と呼ばれています。古くから、居村と秋留台の耕作地を結ぶ重要な道でした。昭和6年の改修工事で現在のような形状になりました。北宿坂の坂上を進んだ北宿通りとの辻のところに「庚申塔」があります。欠けて変形してしまっているのか、何とも奇妙な形です。また、庚申塔の東側の北宿通り沿いに「上宿の秋葉山の石灯篭」があります。
○「おりきの坂」(草花)
玉泉寺から北に向かい平井川に架かる平高橋を渡ると、平高橋バス停の東、いずみ通りから北に上る坂は「おりきの坂」と呼ばれていました。ここは鎌倉街道で、下の平井川に「おりき淵」がありました。坂の付近が「おりき」と呼ばれた地域でしょう。「おりき」の由来はさだかでありません。ちなみに茨城、栃木などの方言で、霜柱を「おりき」といいます。
○「福寿庵坂」(草花)
おりきの坂からいずみ通りを南東に向かうと、森山会館前から北西に福寿公園に下る坂は「福寿庵坂」と呼ばれています。坂上の森山会館のところに明治時代まで臨済宗の福寿庵という寺がありました。坂下の福寿庵井戸は、かつては共同井戸、洗濯場として使われていました。
【白石の井戸跡】
福寿庵坂の途中に「白石の井戸跡」の説明板があります。元は白い石の真ん中の穴から湧水が出ていましたが、石は盗まれて今はありません。正月の繭玉作りには、この水をもらいに来る人で賑わい露店も出たといいます。
【ばったん坂】
福寿庵坂の東のいずみ通りは、「ばったん坂」と呼ばれています。坂下の平井川近くの水車の音が「ばったん、ばったん」と聞こえたようです。
○「森山神社」(草花275)
福寿庵坂から東に向かうと、五日市街道に架かる多西橋の手前に「森山神社」があります。江戸時代は森山明神社と呼ばれていました。明治2年に草花神社に合社になりましたが、大正初期に再び分離して森山地区の鎮守となりました。祭神は伊弉那岐命。例祭は9月の最終土・日曜日で、「森山ばやし」が奉納されます。
http://blog.goo.ne.jp/daimatsuno/e/8525f5307ab98ea4bbc75c250c254320
【明神坂】
森山神社の北側に沿う坂は「明神坂」と呼ばれています。江戸時代、森山神社は森山明神社と呼ばれていたのでこの名になりました。
【森山の渡し(牛浜の渡し)】
かつての五日市街道は、多西橋より200ｍほど下流側を通っていて、多摩川は船で渡っていました。渡し船は、承応年間（1652-55年）に始まったと伝えられ、渡場が左岸の熊川町（現・羽村町）牛浜にあったことから、「牛浜の渡し」でしたが、明治23年、右岸のあきる野市草花に管理が移って、大正14年に多摩橋が架かり渡し船が廃止されるまで、「森山の渡し」と呼ばれたそうです。
http://www.keihin.ktr.mlit.go.jp/tama/04siraberu/kanri/01sigen/watasi/30ushihama.htm
○「広済寺」(平沢732)
森山神社から平井川を渡り西に向かうと「広済寺」があります。創建は天正15年（1587）2月で、椿山仙禅師を開山とします。享保改革において、一介の草奔から幕領3万石の代官に抜粋された平沢出身の民政家・田中丘隅の回向墓（都指定有形文化財）があります。
【湧水】
広済寺に湧水池があります。西に奥多摩の山地、そして北と南をそこから伸びる丘陵に囲まれ、あきる野市はその最東部においても湧水の豊かな土地だったようです。
【お手玉石】
広済寺の「お手玉石」の由来は次のとおりです。
《江戸幕府は、多摩川の水を多摩郡羽村から取り入れ、江戸まで堀を掘って通すという大工事を計画しました。工事は多摩郡の村むらに割り当てました。そのころ、平沢にたいへん力のある男がいました。その人は、村人が「うちの村は、多摩川にせきを作る仕事をやるらしい、えらい力仕事になるな。」と噂し合っているのを聞いて、村役人の家に行きました。そして、「今度の仕事は、わたしに向いています。働きに出してきださい。」と頼みました。村役人は、男が力持ちだということを知っていましたから、男の申し出を喜んで承知しました。上水道の工事が始まった日、平沢の力持ちの男は、村の者といっしょに羽村下の多摩川の川原に行き、工事役人の指図どおり働きました。男は、なにしろたいへんな力持ちでしたから、堰を築くために用いる大きな石や太い木を一人で軽がると運ぶのです。おかげで平沢の人たちは、その日に決められた仕事が早く終わりました。この力持ちの男は家に帰るとき、何かを捜すように川原を歩き回っていました。次の日も力持ちのおかげで仕事が早く終わりました。力持ちの男は昨日のように川原を歩き回りました。その次の日もそうでした。いっしょに働いている人が、川原を歩き回るわけを聞きますと、力持ちの男は「家に置くのに合う石を捜している。」と言いました。しかし、この男の目にかなう石はなかなか見つからなかったようです。堰の工事が終わる頃、男は気に入った石を見つけました。その石は、長径110�僂曚匹寮个任靴拭Ｃ砲蓮∧匱蠅農个鮃發�ほうり上げほうり上げしながら家に持ち帰りました。それから、この石はお手玉石と呼ばれ、持ち主を何人もかえた後、現在は平沢の広済寺境内に納められています。》
http://p13.everytown.info/p13/875/0425585875/%E5%AE%97%E6%95%99%E6%B3%95%E4%BA%BA%E5%BB%A3%E6%B8%88%E5%AF%BA/top.html
【田中丘隅回向墓】
墓域に田中丘隅（休愚）の回向墓があります。旧多摩郡平沢村（現あきる野市）に生まれた丘隅(きゅうぐ)は、川崎宿本陣を務める田中家の養子となったため、実際の墓は川崎にあります。これは、川崎宿の再興に貢献し後に幕府の役人として多摩川や酒匂川などの治水工事に腕をふるった丘隅を、郷土の誉れと思う生家の兄が中心になって建てたもののようです。風雨にさらされて傷んだ碑に並んで、近年建てられたレプリカが並んでいます。回向墓から離れた本堂の前にも、いわくありげな三本の石碑が並んでいます。特に説明板の類はなく、真ん中の碑も向かって右隣の由来碑も摩滅して読みにくいですが、田中丘隅ゆかりのものであるようです。
http://blogs.yahoo.co.jp/qazxswedcvfr2004jp/32828880.html
○「梨の木坂（ところてん坂）」(平沢、二宮)
広済寺の東、平井川に架かる多西橋から南西に上る坂は「梨の木坂」（ところてん坂）と呼ばれています。昔、宮川さんという人が坂の傍の畑で梨を作っていたからといいますが、異説もあります。平沢の梨の木沢へ下る坂であったからではあるまいか。また、二宮劇場で菊芝居がある時は、多西の方からの客はみんなこの坂を通りました。この時ばかりは銀座通りのようににぎやかになり、冷たい湧水を使ってところてんを売る人が現れました。このところてんはおいしいと評判になり、ところてん屋はたいそう繁盛したといいます。そして、いつしかこの坂を「ところてん坂」というようになりました。
【ざくざく婆の湧水跡】
梨の木坂の途中に「ざくざく婆の湧水跡」があり、小祠があります。「お滝」とよばれていた湧水で、昔はさびしいところでざくざく婆が、毎晩小豆を洗いに出たといわれていました。ざくざく婆を見た者はいませんでしたが、ざくざくという小豆を洗う音はよくしていたということです。各地に残る「小豆婆ア」の話と同じですね。
○「との坂」(二宮)
広済寺の南東、五日市街道が右に大きくカーブするあたりから南に、中坂へ上る坂は「との坂」と呼ばれています。このあたりは二宮城跡と推定され、「との（とね）山」といわれていました。刀祢(とね)が殿(との)に変化したのでは。坂下に馬頭観音と庚申塔があります。
【耳だれ地蔵】
坂下の馬頭観音から、五日市街道を渡ったところに「耳だれ地蔵」があります。
【とねやまの道】
との坂から中坂の坂上へとゆるやかに下る道が「とねやまの道」です。
【中坂】
とねやまの道から南東に下る坂は「中坂」と呼ばれています。坂下に中坂稲荷があります。
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