『BONES 9-7 完璧なハネムーン』
<ストーリー>
ハネムーンでアルゼンチンのブエノスアイレスに出かけたブレナン博士とブース捜査官。プールサイドでビールを飲みながらバカンスを楽しもうとするブースにブレナン博士はかつて彼女が訪問した遺体安置所を案内する・・・
<コメント>
捜査官が旅行先で事件に遭遇するというパターンは長く続いたシリーズならよくあるけれども、さすがに根底に悪趣味を漂わせる『BONES』だけあって今回はアルゼンチンという国の歴史を背景にしている。
なにしろせっかくハネムーンに出かけた二人ながら、バカンスの楽しみ方を理解できないブレナンが「ここなら詳しい」と案内したのがアルゼンチンの軍事政権時代に処刑された人々の遺体安置所という設定から人を食っている。そして大量に並べられた骨の中から一瞥でまだ新しい骨を発見したブレナンがその骨の捜査を始めてしぶしぶ彼女に協力するブース捜査官というところまではパターン通り。
現地の警察が容疑者にブースを指して「この人がブレナン博士の書いた小説の捜査官のモデルだぞ。さっさと口を割った方が身のためだぞ。」と脅すところなどは笑ってしまう。
発見された骨が90歳の老人のものとわかって「なぜ誰が90歳の老人をわざわざ殺すのか」と視聴者の興味をひいたところで意外な展開を迎える。
どうしてもアルゼンチンというと軍事政権時代の虐殺を思い浮かべるけれども、それとはまた別のアルゼンチンという国の暗黒面を物語のトリックにもってくるところなどはこの作品が単なる悪趣味捜査モノではないく、脚本もきっちり考えられていることを示しだからこそ9シーズンも続く大ヒット作になっていることがうかがわれる。
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