武蔵村山市さんぽ「総合運動場ジュウガ池から里山民家・禅昌寺」
○「後ヶ谷戸神明社」(三ツ木3-51)
多摩都市モノレール上北台駅からMMシャトルバスに乗り、いずみ幼稚園で下車して北に向かうと自治会館があります。自治会館の右横から石段の坂道を上って行くと「後ヶ谷戸神明社」があります。木洩れ日の中に、小さな社殿が寂しそうに建っています。後ヶ谷戸の人々によって祀られた祠で、お伊勢様、伊勢社などともいわれています。祭礼は「十二所神社」が行っています。
http://r500m.com/spot/124657811130618014712/blog/9973127
○「大将山(太田道灌布陣地)」(三ツ木3-54)
神明社の裏手(御伊勢山)から踏跡をたどると「野山北・六道山公園」の遊歩道に出ます。右に行くと細田山・六地蔵方面に、左は大将山に行けます。大将山は太田道灌が陣を張ったという説がありますので、ちょっとに寄ってみました。文明9年（1476）、関東管領家の家宰職相続に不満を持つ長尾景春は反乱を起こします。これに組した大石氏を攻めるために、大将山に大田道灌が陣城を構築、軍勢を置き秋川の大石氏と対陣したと伝えられています（中藤の真福寺城の説が有力）。この地に道灌が布陣したのは、大石氏の持城である柏の城から二ノ宮城への線を断ち切り、圧力をかけるのが目的だったと思われます。大石氏は、一度は長尾景春に味方したものの、景春方の劣勢を見るや降伏して関東管領家の配下に戻っています。大石氏が景春加担したのは、これを期に管領家の支配を離れ独立勢力となることを期待していたのかもしれません。この高地付近から秋川方面を眺望することもできて、太田道灌が陣を張ったのもうなずけます。
http://petamap.jp/spot/spot?sid=2c90b2ad1983301901198b0bdf691ebf
○「細田山庚申塔」(三ツ木3-67)
もとに戻り北に向かうと右(東方)に下る踏跡があります。下ったあたりに「細田山庚申塔」が二基あるというのですが、見当たりませんでした。次回、ゆっくりと探してみます。庚申塔のデータは次のとおりです。
《細田山にある2基の庚申塔は、長い年月生い茂る樹下にあったために風化せずに造立当時の場所に状態よく保存されています。�ヽ淺娚冀貍�の庚申塔は元禄6年（1693）の造立で、正面に青面金剛が配され左右裏面には三猿が刻まれています。高さ72�僉�幅22�僉��△發Π貶�の駒形の庚申塔は、正面に庚申供養の文字と日月瑞雲を刻み、さらに三猿を大きく浮き彫りにしたもので、享保元年（1716）に造立されたものです。高さ61�僉�幅28�僉�》
http://www.city.musashimurayama.lg.jp/shiryoukan/001747.html
○「ジュウガ池の河童伝説」(岸5-31)
次に公園の遊歩道を西に下ってみました。市民総合運動場の北東に「ジュウガ池」があります。ジュウガ池は、かつては葦が生い茂った沼のような池で、三方入田んぼの灌漑用水池として使われていました。次の河童伝説があります。
《その昔ジュウゾウという人が河童に池へ引きずり込まれて死んだので、ジュウガ池と呼ばれるようになったといわれています。この辺りの地域ではよくお年寄から「池に入ると河童（水カマキリ）が尻から入って内臓を食べてしまう」と戒めらていたそうです。》
http://www.geocities.jp/yokanbay/musamura-jyugaike.html
http://www.geocities.co.jp/NatureLand/7582/20021028.htm
○「御判立」(三ツ木4-6)
総合運動場の北にある赤坂駐車場トイレ裏から北に向かうと、狭山湖周囲道路の「御判立」（ごはんだて）に着きます。御判立は、武蔵村山市と瑞穂町と所沢市の3つが交わる地点で、狭山湖周囲道路と縄竹林道の分岐点です。平成7年に縄竹林道側にミニバイク侵入防止のための新しいゲートができていますが、歩行者は北を向いて左側のくぐり戸を開けて通行できます。
○「須賀神社奥の院」(岸4-12)
狭山湖周囲道路を西に向かうと猿久保休憩所の先に「狭山湖周囲道路」があります。ここ狭山丘陵に寛永10年（1663）に創建されたのがはじまりです。しかし、丘陵の奥深いところにあるため誰もが参拝しやすいようにと、寛政2年（1790）に現在地(須賀神社、岸2-24)に遙拝所が建てられました。昭和51年にこの遙拝所が本殿と定められ、それまでの本殿は奥の院となりました。
http://ameblo.jp/falun1/entry-11390809818.html
○「里山民家(野山北六道山公園)」(岸2-32)
須賀神社奥の院を下って行くと、野山北六道山公園の宮野入谷戸に「里山民家」があります。かつては、里山として自然の中での人々の暮らしが行われてきたところです。里山民家は、この地域にあった江戸時代建築の宮鍋作造家住宅をモデルにして、当時の民家を忠実に再現・新築した施設で平成12年にオープンしました。新築した建物とは思えないような「古さ」を見事に実現して、各地にある古民家と見まがうようです。生け垣に囲まれた敷地の中には、大きな母屋のほかに蔵や作業小屋、納屋なども再現されています。かつての里山の暮らしと風景を再現しようと、ボランティアの人々の活動は活発しており、里山の体験ができる各種のイベントが頻繁に開催されています。茅葺きの母屋の囲炉裏ばたに座って、持参したお弁当を食べながら里山の暮らしを偲んだり、野鳥や自然を観察しながら山歩きを楽しんだり、のんびりするのにぴったりの施設です。
http://blogs.yahoo.co.jp/qazxswedcvfr2004jp/56857921.html
http://blog.livedoor.jp/kazu0301post-donpa/archives/28688243.html
○「須賀神社」(岸2-24)
里山民家の南に「須賀神社」本殿があります。鳥居の左の説明板に次の説明があます。
《江戸時代の寛政2年（1790）の創建で、村内悪疫鎮護のため祀られたものです。江戸時代は修験道の影響下にあり、「牛頭天王社」「岸の天王様」ともいわれ村人の信仰が篤く、境内の杉や樫の葉をいただき門口につるしておくと、伝染病にかからないといわれています。祭神は素戔嗚尊（スサノオノミコト）、軻遇突智命、天照大神、豫母津事解之男神。》
昭和19年建立の小ぶりな拝殿があり、拝殿の後ろの本殿は更に小さく、それはこの社殿が昔は遥拝所であり、遥拝する本殿(現在の奥の院)は1 km北に離れた狭山丘陵の中にあったことによります。昔の遥拝所が現在は本殿で、昔の本殿は現在奥の院となっています。
【乃木大将の碑】
社殿の脇には、乃木希典大将書の明治37・38年戦役の碑があります。
http://www.geocities.jp/yokanbay/musamura-sugajinja.html
http://www.mikumano.net/ztokyo/musasimu4.html
○「禅昌寺」(岸3-37)
須賀神社の東方に「禅昌寺」があります。山門の前に説明板があり次の説明があります。
《岸清山禅昌寺は臨済宗の禅寺で、室町時代の生長元年（1428）に恵山和尚によって開山されたと伝えられています。江戸時代に強風でお堂が壊れ、文化14年（1817）に再建されました。現在の本堂は、昭和46年に建てられたものです。観音堂は文禄3年（1594）の創建と伝えられ、狭山観音霊場めぐり24番札所になっています。》
http://mikiomonya.jugem.jp/?eid=524
【観音堂】
境内に戦国時代に建立されたという「観音堂」が建っています。堂内には、これまで訪れた吉祥院や慈眼寺と同じく、聖観音が安置されています。狭山三十三観音の24番札所です。
【小飛の塔】
観音堂の横に「少飛の塔」が立ち、説明板には次の説明があります。
《この地には、昭和13年より終戦に至る8年有余にわたり東京陸軍少年飛行兵学校がありました。祖国の急を救わんと、全国各地よりはせ参じた若冠14・5才の少年達が、ひたすらに大空へと志し、情熱を燃やして訓練に励んだ、元陸軍少年飛行兵揺らんのちです。昭和38年生存者有志により、戦没者のめい福を祈念して慰霊碑を建立しました。》
少飛の塔は、昭和38年に大南3丁目東京陸軍少年飛行兵学校の跡に建立された後、永代にわたる供養を念願し、平成2年にここ禅昌寺に移転してきました。碑文は次のとおりです。
《陸軍少年飛行兵制度は、昭和9年2月、第一期生の所沢陸軍飛行学校本校にはじまる。陸軍航空の拡充要請により昭和13年、村山に東京陸軍航空学校が創立され第六期生が入校、さらに大津、大分に陸軍少年飛行兵学校が、また急速養成のため、各地に教育隊が設立され、終戦時の第二十期まで46,000の若鷲が巣立った。陸軍航空の操縦・通信・整備の中堅として、支那事変、ノモンハン事件を経て、大東亜戦争に参加、日本の危急存亡に際して北に南にと空の第一線に身命を賭して活躍した。そして4500余柱の特別攻撃隊員をはじめ、450余柱の若鷲が祖国の安泰と繁栄を念じつつ大空に散華した。いまだ10代の紅顔の少年達であった。昭和38年、東京陸軍少年飛行兵学校の跡地に慰霊碑を建立し、以後毎年現地において生存者相集い慰霊の誠を捧げて来たが、このたび永代にわたる供養を念願し、ゆかりの人々の加護のもとに、この地に供養塔を建立することとなった。遷座にあたり、英霊の偉勲を偲び、久遠の平和を祈るものである。》
さらに、誰に気づかれることもなく、小飛の塔から一段下がったところ(観音堂と鐘楼の間)に「通用門」の門柱があります。東京陸軍少年飛行兵学校には正門を含めて7つの門があったといいます。この門はどこにあったのか不明ですが、何か残したいということで、捨てられる前にこのお寺に運び込まれたそうです。
http://www.geocities.jp/yokanbay/musamura-zenshouji.html
【猿久保尾根の庚申塔】
この庚申塔は、寛文10年（1670）の銘が見える市内最古の庚申塔です。現在は禅昌寺の境内に移されていますが、元は岸地区の猿久保尾根に建てられていました。総高は64�僂波槌蠏燭鬚靴討�り、正面上部に種子らしき文字が確認でき、正面下部にはすべて左を向く三猿が刻まれています。三猿が刻まれている庚申塔は数多く見られますが、このようにすべて同じ方向を向いているものは大変珍しいといえます。二つに折損しているうえに風化摩滅が著しいですが、正面右端に「寛文10年」、左端に「9月10日」と刻まれているのがかろうじて確認できます。
http://www.city.musashimurayama.lg.jp/shiryoukan/001747.html
○「岸の石仏(馬頭観音・庚申塔)」(岸1-26)
青梅街道の岸交差点を南に入るとすぐ五叉路があり、その角に「馬頭観音」と「庚申塔」の2基の石仏が北向きで建っています。これらはいずれも文化4年（1807）2月に造立されたもので、「武州多摩郡岸村」と刻まれています。また、馬頭観音には「南八王子 大山道」とあり、当時は道標としての役割も果たしていました。
http://www.geocities.jp/yokanbay/musamura-kishinosekibutsu.html
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