立川市さんぽ「見影橋(玉川上水)から若山牧水歌碑(立川駅北口)」
○「見影橋と源五右衛門分水取入口(玉川上水)」(上砂町5-55)
西武拝島線武蔵砂川駅から南に向かうと玉川上水があり、東に下ると「見影橋」があります。見影橋は江戸時代から架かっていた古い橋で、その頃は村を流れる玉川上水の上流から四番目の橋だったので「四ノ橋」と呼ばれていました。また、名主の砂川家屋敷(五日市街道沿い)に近いこともあって「旦那橋」とも呼ばれました。大正時代に「御影橋」となり、今では見影橋の字をあてています。見影橋は、玉川上水水見回り役も務めていた砂川家のために架けられた橋だともいわれています。明治時代、橋のたもとから砂川家専用の分水が掘削され、当主の名前に因んで「源五右衛門分水」と呼ばれ、自邸庭園の鑑賞用流水に用いられ、流域では珍しい水田耕作にも利用されました。説明板に次の説明があります。
《橋が広げられるまでは、たもとに明治の初めの名主家当主の名前にちなんだ「源五右衛門分水」の取入口がありました。今でも橋の南西下側にはその跡が残っており、見ることができます。》
http://city.tachikawaonline.jp/view.php?area=10&id=533&mode=details
http://www.geocities.jp/annaka29jp/jyosuikoujyaku/12gengoemonbunsui.htm
○「残堀川旧水路跡」(砂川町8-74)
見影橋から北に向かい西武線のガードをくぐり、そのまま畑の中をまっすぐ進んで最初の分かれ道を右に向かうと、右手畑の植え込みの中に次の「残堀川旧水路跡」説明板があります。
《残堀川は、「蛇堀川」(じゃぼりがわ)あるいは「砂の川」ともよばれ、源(みなもと)を瑞穂町の狭山池に発します。昔は、この付近から、旧立川基地内を経て国立市青柳方面に流れていました。江戸時代初めの砂川の新田開発は、残堀川の水を頼りに、その流域から始められたのです。その後、承応3年（1654）に玉川上水が開通すると、これに合流させていたこともありました。明治時代の末になって、玉川上水の下（現在は上）を通る水路が開かれ、現在に至っています。》
残堀川は、今から数万年前、多摩川が立川段丘をつくったときのなごりの川です。現在、一番町から国営昭和記念公園内を通り、富士見町3丁目で根川と合流し柴崎町で多摩川に流れ込み、「砂の川」とも呼ばれていました。そして、これがここ「砂川」という地名の由来となったといわれています。かつて砂川三番の見影橋付近を流れていた残堀川は、上水の完成時に天王橋付近につなぎ替えられ、それからは上水の助水として利用されることになりました。明治時代になると残堀川の水は汚れ、明治41年に上水から切り離されました。残堀川と玉川上水が交差するあたりにある説明板には、「大昔の残堀川の流れ」が地図に示されています。
http://homepage1.nifty.com/toshiyuk/TamaSam/Tamasa11/tmaSa11.htm
○「巴河岸跡(玉川上水)」(砂川町3-17)
玉川上水に戻り、南側の見影橋公園に沿って東に少し下ると、次の「上水の歴史」説明板があります。
《玉川上水の建設者は、玉川庄右衛門と清右衛門の兄弟で江戸町奉行の委託で計画したものである。今から約330年前、承応2年（1653）に始まり、翌3年6月に完成したと記録されている。羽村から四谷大木土戸まで約43�劼猟控�離を測量器(レベル）のない時代に驚くべき早さで完成させた事は当時の土木技術の水準の高さを物語っている。又、この辺一帯の新田開発には上水から分水が利用され、大発展した。》
さらに少し下ると、玉川上水屈曲部付近に次の「巴河岸跡」説明板があります。
《明治時代初め、玉川上水に舟を浮かべ、物資を東京に運ぶことを、当時の砂川村の名主・砂川源右衛門たちが政府に願い出ました。舟運は、明治3年に開始されました。船運開始に先立ち、船運の支障となる低い橋の架け替え、舟運に必要な河岸＝荷物集積所作り、そして下った船を、再び上流へと曳き揚げるために上水の両岸に「曳き道」も整備されました。船運が開始されると、最盛期には百隻もの船が往来しましたが、衛生上の理由から明治5年には廃止されてしまいました。》
http://www.geocities.jp/annaka29jp/jyosuijiten/tatikawa12kei/tatikawa12kei.html
○「金比羅神社(金比羅山)」(砂川町3-24)
金比羅橋に近くなってくると、右手に高さ15ｍほどの小山「金毘羅山」が見えてきます。頂に「金比羅神社」があり、南側に回り込むと鳥居と参道があります。金毘羅山は、玉川上水を掘削したときの土砂を持って作られた塚であると思われ、江戸時代に流行した富士塚との説もあります。この先、金毘羅橋を過ぎる辺りで「立川断層」に突き当たりますが、先人によって元の水路方向へと迂回処置がされ軌道修正がなされています。「金比羅山の由来」として次の説明板があります。
《立川市唯一のこの山がいつ頃築かれたのか、はっきりしていませんが安政年間(1854-60)に砂川村の名主砂川家が願主となり、頂上に富士浅間神社、中段に金比羅神社、下段に秋葉神社を勧請したと伝えられています。この金比羅山は江戸時代に流行した富士塚ではないかといわれています。秋葉神社は、遠州(静岡県)秋葉さんにある火難・水難よけの神として古くから知られています。近世になって徳川家康の命によりご神体(三尺坊権現)が小田原に移され、その土地の富士浅間の神として合祀され富士信仰との融合がはかられたわけです。秋葉神社と金毘羅神社とが並べて祀られる例は各地に見られ、富士、金比羅、秋葉の三神は互いに関係を持ちながらこの山に置かれたといえましょう。特に金毘羅様は玉川上水で舟運が行われた頃(近くに巴河岸跡)、舟神様として祀られそれからこの山は金比羅山と呼ばれるようになりました。》
http://tei1937.blog.fc2.com/blog-entry-13.html
○「金比羅橋と馬頭観音」(砂川町3-41)
金毘羅山の近くにある「金毘羅橋」は、『上水記』に記されている古くからある橋で、所沢街道、すなわち村山街道と玉川上水とが交差している地点に架かるので、かつては「村山橋」「五の橋」とも呼ばれました。金毘羅橋の北側に「馬頭観音」があります。
http://blog.goo.ne.jp/tamabito/e/58cf3f5cb58da1d1967132791495daac
【上水記】
上水記は、江戸幕府普請奉行上水方道方であった石野遠江守弘道が、天明8年（1788）に稿を起こし寛政3年（1791）に完成した、玉川上水の開削、配水、料金徴収、水番などに関する記録であり、玉川上水の沿革を知る上での基本資料となっています。玉川上水開削からほぼ140年後に書かれたもので、正徳5年（1715）に書かれたと思われる第三代玉川庄右衛門・清右衛門の「書状」に典拠しています。上水記は3部作成され、一部は第11代将軍徳川家斉に献上され、一部は老中筆頭松平定信に進呈、一部は御普請方上水方道方役所に納められました。将軍に献上されたものは一部欠損していますが内閣文庫に、老中松平伊豆守定信に進呈されたものは不明、御普請方上水方道方のものは、東京府、東京市、東京都水道局へと伝わって、現在、水道歴史館に納められ、東京都有形文化財に指定されています。
http://www.geocities.jp/annaka29jp/jyosuijiten/jyosuiki/jyosuiki.html
○「流泉寺」(上砂町2-44)
五日市街道に面して「流泉寺」があります。江戸時代、この地の砂川新田開発に携わった人々を供養するため、慶安3年（1650年）に開創されたと伝えられます。明治時代の初期には寺子屋が置かれ、旧砂川村の教育発祥の地とされています。墓地の入り口には数多くの石仏（羅漢）が建ち並んでおり、それぞれの石仏の豊かな表情は見る人を惹きつけます。寺とその周辺はケヤキの並木や屋敷林など緑が多く、「立川市緑の十二景」に選ばれています。
http://city.tachikawaonline.jp/view.php?area=10&id=599&mode=details
http://tencoo.fc2web.com/jinja/xtc-ryusenr.htm
【砂川家屋敷跡】
流泉寺の前、五日市街道沿いの屋敷林(ケヤキ)のある屋敷は、名主の砂川家屋敷跡だといわれています。この屋敷まで「源五右衛門分水」がひかれていました。
http://www.buyo-gas.co.jp/exchange/public/jousui/jousui09.html
○「阿豆佐味天神社(立川水天宮)」(砂川町4-1)
「阿豆佐味天神社」（あずさみてんじんしゃ）は、寛永6年(1629)砂川の新田開発の際に殿ヶ谷村（瑞穂町）の阿豆社を勧請し、村の鎮守の神として創建されました。砂川町は立川市の北側に位置し、立川市と昭和38年に合併するまでは砂川村として１つの独立した村で、その中でも阿豆佐味天神社のある辺りは早くから開発され拓かれた地域でした。ご祭神は、医薬・息災延命の神として名高い少彦名命（すくなひこなのみこと）です。 また、総ケヤキ造りの本殿は立川市の有形重要文化財に指定されていて、立川市にある最古の木造建築物です。元旦には、初詣とともに日本一早いだるま朝市も行われています。境内社の１つである「蚕影神社」（こかげじんじゃ）は「猫返し神社」ともいわれ、ここで祈願すれば迷い猫が戻ってくるという言い伝えがあり、不思議な逸話のある御社で知られています。
http://goshuin.ko-kon.net/touto_jinja/24_azusami_sunagawa.html
http://www.youtube.com/watch?v=wAGwKp1XK08
【砂川ゴボウ】
境内に次の説明板があります。
《江戸時代から昭和にかけての江戸・東京のゴボウは、東の「滝野川ゴボウ」に対し、「砂川ゴボウ」は西の代表でした。砂川ゴボウの起源については明らかではありませんが、立川市史によると元禄年間（1688〜1704）、砂川村が開墾された頃、農民があたりに生えていた野生のゴボウを掘って食べたのがきっかけで、しだいに栽培されるようになりました。その後、諸国の大名が、江戸参勤交代の際に砂川ゴボウの種子を持ち帰って領内に栽培させたので、砂川ゴボウの名は各地に広まり有名になりました。しかし、砂川村でのゴボウの栽培が最もさかんになったのは明治初期以降のことで、三鷹村や小金井村方面では明治25年頃にひろまり、その後はさらに小平、東村山、保谷、武蔵野の各町村に拡大し、関東ローム層という良質の土壌から高品質のゴボウが生産されていました。》
http://www.tokyo-ja.or.jp/farming/kitatama01.html
○「立川防災館(東京消防庁立川都民防災教育センター)」(泉町1156)
「立川防災館」は、地震や火災などの災害の本当の姿を知り、いざという時の行動や方法を楽しみながら学んでいただく目的で生まれた「体験学習施設」です。お子様でも楽しく体験することができます。入場料無料。
http://www.hashii.com/trip/2003/031109_01.html
○「熊野神社」(高松町1-17)
享保11年(1726)8月1日、当初7件の家の鎮守として旧立川基地内に創建されました。寛政12年秋には、氏子も23戸に増えこの人たちにより再建。昭和20年戦災により焼失。昭和31年9月には新たに熊野本宮大社より御分霊を勧請。昭和43年市道工事のため再度当地に移転、現在にいたります。
http://city.tachikawaonline.jp/view.php?area=10&id=529&mode=details
○「豊川稲荷立川分霊所（豊川勝運稲荷）」(高松町2-25)
立川競輪場に近く立川市唯一の稲荷で、勝運にめぐまれるようにと参拝も多いようです。
http://www.jinja.in/single/118590.html
○「旧陸軍飛行場正門前(ファーレ立川)」(曙町2-8)
立川飛行場は、1922年に帝都防衛構想の陸軍飛行戦隊の中核拠点として開設されました。立川駅北口に広大な米軍基地の跡が残っています。戦後に立川飛行場の敷地が米軍に接収され「キャンプフィンカム」として利用されていた時期に、米兵の慰安施設も兼ねて、立川駅周辺には赤線地帯があったといいます。その名残りが、古い商店街「シネマ通り」にあります。この場所は、大正時代に旧陸軍立川飛行場が設置されてから慰安施設として映画館「キネマ立川」が建てられ、軍人や軍需工場で働く工員の姿で賑わう繁華街でした。現在のシネマ通りは寂れた古い商店街といった印象が強く、かつての賑わいを想像するのは難しいです。まっすぐ北西方向に進むと、元・米軍基地キャンプフィンカム、現在は国営昭和記念公園や再開発で一変した複合商業施設「ファーレ立川」に続きます。ファーレ立川の入口が、旧陸軍飛行場正門前になります。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%AB%8B%E5%B7%9D%E9%A3%9B%E8%A1%8C%E5%A0%B4
http://airfield-search2.blog.so-net.ne.jp/tachikawa-airfield
○「花みどり文化センター(昭和記念公園)」(緑町3173)
あけぼの口から「国営昭和記念公園」に入ると、広大な芝生の広場に地面が隆起してできたような奇妙な構築物が見えます。これが「花みどり文化センター」です。昭和記念公園や全国の国営公園、自然再生に関する取組みなどを「床壁映像展示システム」により来館者に情報発信、また、季節に合わせたパネル展示を実施しています。
http://www.showakinenpark.go.jp/green-culture/portal/
○「若山牧水歌碑(立川駅北口)」(曙町2-1)
立川駅北口のバスターミナルに「若山牧水歌碑」があります。碑面には喜志子夫人の筆で《旅にて詠める 立川の驛の古茶屋 さくら樹のもみぢの かげに見送りし子よ》と刻まれています。この歌は若山牧水が、明治39年12月奥多摩方面へ3泊の旅行をした時、立川駅頭で詠んだものです。昭和25年、市制施行10年を記念し、有志の手によってこの歌碑が建てられました。
http://www.portaltokyo.com/guide_tama/contents/c25019bokusui.htm
http://fs-diary.jugem.jp/?eid=307
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