mixiユーザー(id:1682634)

2014年05月11日20:45

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中国の海洋戦略について思うに

それほど詳しいわけではありませんが、思ったことを書いてみます。

★まず最初に
国連海洋法条約(1994年発効)では「沿岸から12海里を領海とする」「沿岸から200海里を排他的経済水域(EEZ)とし、その外側を公海とする」「隣国とのEEZの境界設定には、国際法に基づき、両国の合意が必要」と定められました。つまり、EEZの境界設定は(大陸棚理論や中間線理論のいずれが主流であるかに関わらず)当事者らの合意が最優先されます。

★中国の狙いは?
まずは日本人にも馴染み深い尖閣諸島問題から書きましょうか。
中国が東シナ海の海洋資源のほとんどを永続的に得る為には「尖閣諸島が中国領であるとした上で中間線理論を受け入れる(あるいはそれでも大陸棚理論を主張する)」か「沖縄トラフまでが中国の大陸棚であるとして大陸棚理論を主張する(しかし科学的には沖縄トラフは大陸棚の境界にならないので、中国は沖縄も自国領土であると主張する)」か「あえて境界を定めさせないように時間稼ぎしながら海洋資源を実効支配する。50年後に境界交渉を開始」の3パターンがあります。
現在のところ中国は境界を確定させるつもりなど毛頭無く「時間稼ぎで実効支配」を目論んでいるようです。なぜならば、中国は相手国に応じて大陸棚理論と中間線理論を使い分けているからです。例えば、ベトナムに対しては、ベトナムが大陸棚理論で主張しているのに対し、中国は西沙諸島を自国領とした上での中間線理論で主張しています。< 余談ですが、韓国も中国に対しては中間線理論で主張し、日本に対しては大陸棚理論で主張してます(だから韓国も境界不確定のままの実効支配戦略を採っているのだろうと思います。蘇岩礁についての交渉が予定調和的に進まないのも双方が同じように考えているからでしょう)。

★南シナ海はどうなる?
さて、南シナ海で中国とベトナムとが衝突しています。もし中国の海洋戦略が先述の通りであるとしたら、中国は必ずしも軍事的な対立を望んではおらず、「二国間の平和的な話し合い」を提案しつつ石油掘削施設を完成させて長期の実効支配に乗り出そうとするはずです。海上戦力に劣るベトナムとしては、中国の先制攻撃による軍事的対立にエスカレートさせることで国際社会の支援を得るしかないでしょう(ちなみに中国とベトナムは過去に何度も戦争しています)。とするならば、ベトナム側が海上から手を引くことはあり得ません。
フィリピンがアメリカと再び軍事協定を締結したのもこの動きを見据えてのものだと思います。アメリカが尖閣諸島が安保対象であると明言したのもこの流れでしょうし、アメリカ第7艦隊旗艦ブルーリッジを単艦で南シナ海に展開させたのもその意思の表れだろうと思います。なお、歴史的事情があるのでベトナムがアメリカと軍事協定を締結することはないでしょう。
関係諸国の利害を考えるに、比較的近い時期に限定的な軍事衝突が発生するか、あるいは中期的に(恐らくは中国が正規空母を実用化した後に)再び衝突の危機が訪れるでしょう。いずれにせよ全面戦争には至らないだろうと思います。


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