「みなさん、あけましておめでとうございま〜す!きょうが阪神タイガース、地元での初試合で〜す!今年も応援よろしくおねがいしま〜す!」私の座席は京セラドームライトスタンドそしてラッキーにも最前列、さらに私設応援団が集結した場所のすぐ横だった。場内に響き渡るあのタイコの音の洗礼を、28492人の誰よりも受けたのは私だったのです。
試合前、トランペット部隊が聞きなれないメロディをさかんに奏でている。そう、新しいヒッティングマーチの練習に余念がないのだ。これは福留のテーマ曲かな、それとも西岡のものかも、いや良太や大和、上本もテーマができたって聞いたしな…。こちらの想像力はふくらむばかり、でもこの楽しさはこの時期にしか味わえない。シーズンが始まるや耳にタコとなるけど。
「うわぁ〜新曲ばっかりやんけ!」トランペット部隊のひとりが叫んだ。スタメン発表、阪神打線はトップから上本=大和=西岡=良太=福留…。そう、ヒッティングマーチはすべて新しいものばかりが続くのだ。慣れないメロディばかり弾かなくてはならないニーチャンは頭を抱えていた。でも練習にはうってつけの機会では。文字通りの“強化試合”だ。
WBC日本代表との試合はさしてスリリングな場面もなく淡々としたものだったので、ついつい応援団のほうばかりに興味が向いてしまった。それにしても侍ジャパンは大丈夫なのだろうか。まあこちらとしては、世界一の日本代表を完封したのだから、タイガースが真の世界一だと思って喜んでおいてやろう。これくらい脳天気でないとこれからの長いシーズンやっていけませんわ。
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