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2012年09月18日10:40

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「ライク・サムワン・イン・ラブ」〜イランの巨匠が見た日本

イランの巨匠アッバス・キアロスタミ監督が日本人スタッフ・俳優を使ってすべて日本で撮影したという作品。老教授とデートクラブの若き女性の出会い、そこからの一日に満たぬ時間を東京・横浜ロケにて淡々と。そう、すべて淡々と話は進むんですよね。カレシが登場してきてラストにそれなりの破たんはあるけれど、衝撃ってほどでもない。

カレシ役の加瀬亮以外の主要キャスト、老教授役も若い女性役もそれほど有名な俳優ではなく、どうもいままでは脇役ばかりをこなしてきたひとたちのよう。かといってこの作品で脚光を浴びて一躍スターの座にってこともなく、再びこれからも脇に徹していきそうなさりげなさ、そのあたりをキアロスタミ監督は必要としたのかも。

とにかくほとんどがセリフのやりとり、しかもそのなかにはどうでもいいムダと思わせるものもけっこうある。こちらは多少イライラもしてきて忍耐力も要求されてしまう。監督はわざわざ日本までやってきて何を撮ろうとしたのか、小津作品を投影させたかったのか、などと勝手な想像はふくらむ(こちらあまり小津作品を観ていないのであくまで雑感です)。

登場人物はウソをついたまま物語は進行するので、そのあたりの心の動きと実際に口にするセリフ、そしてそのおりおりの表情とのギャップを味わう、つまり“行間を読む”ことがこの作品を楽しむ手段かなと。淡々と見ていたら、なんだこのツマらん展開はてなことになりかねない。誰かと一緒に観て、そのあと登場人物の心の動きをどうこう語りあうのにはいい作品かもしれません。
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