わりとブリグリが好きでした。
若い子のために一応説明しておくと、ブリグリとは97年にデビューしたザ・ブリリアント・グリーンという日本のロック・バンドの略称です。90年代の米オルタナティヴ・ロックをJ−POP的な解釈で取り入れたような和洋折衷サウンドがウリでした。
でも相方からは「あんたは
トミーの顔がタイプなだけでしょ」って言われたりするんだけど、たしかに好きなことは紛れもない事実なので、返す言葉はございません。ちなみにトミーとは、ブリグリのボーカリストである川瀬智子の愛称です。さらに、トミーのソロ・プロジェクトである「トミー・フェブラリー」も嫌いじゃなかったりします。これもトミーというより音楽性が好きなんだと言い張ってみせるのですが、やはり頑なに聞き入れてはくれません。
でもトミー・フェブラリー、普通に良くないですか?
後から知ったんですが、実はトミー・フェブラリーの曲もブリグリの連中がすべて作ってたらしいですよ。トミーの自宅スタジオで。つまり、見せ方や売り出し方の違いだけで、正体はブリグリそのものだったという…。真面目そうに見えて、意外に喰わせ者だった奴ら。
トミー・フェブラリーの音楽って、簡単に言ってしまえばユーロビートの現代版なわけです。ユーロビートと言えば、80年代にヨーロッパの音楽シーンを席巻するも、今じゃあ日本人の一部しか聴いてないという非常にマニアックなジャンル。しかもその大半はくだらない企画モノのクズに過ぎないですが(言い過ぎ)、トミー・フェブラリーのようにコンテンポラリーな視点でユーロを取り入れた比較的センスの良いものは好きです。
例えば、ストロークスのジュリアン・カサブランカスのソロ・シングル“
イレヴンズ・ディメンション”なんかも、トミー同様に現代的な視点でユーロビートを捉え直したよくできた好例のひとつだと思います。トミーのそれはカイリー・ミノーグに代表されるバブルガム・ポップ(+少女趣味)を言わばパロディー的に模倣したに過ぎませんでしたが、ジュリアンはもっとオルタナティヴな解釈が垣間見れる。印象的なシンセのリフにまず耳を奪われますが、楽曲構造そのものは全然ユーロビートになってないし、サスティーンを効かせたギターのサンプルなど、地味に小技も効いている。
もっとも、このようなレトロ・フューチャーな音作りというのはジュリアンの十八番でもあり、ある意味ストロークスを通じて散々やってきたことの別ヴァージョンに近い。そういう意味で言えば、“イレヴンズ・ディメンション”は、英国のポスト・パンク・リヴァイヴァルへの米国からの返答と言っていいのかもしれない。
ストーリー、服装、カメラ割りに至るまで、すべて80年代っぽいダサかっこいい感じを狙ったビデオ。爆笑必至。
一応、トミー・フェブラリーのPVもアップ。かわいすぎて萌え死ぬ…。
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