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2010年02月16日07:46

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「この世でいちばん大事な「カネ」の話」

 図書館本「この世でいちばん大事な「カネ」の話」西原理恵子著、を読了。自伝を随筆的に綴り、そこにアジアの貧困層を見た経験談を加え、若者へのお説教にした様な本。「オトコはもちろん、オンナも稼がなダメだぁっ!カネは人を自由にする。貧困は、よほど気合いを入れて努力し、さらに外部から機会が与えられないと、世代を超えて"遺伝"してしまう。貧困やアル中や不幸は、犯罪を呼び、犯罪はさらに貧困を招き、負のループから抜け出られなくなる」と。漫画家の著者だけど、文章がほとんどの本。

 彼女と私は、育った家庭の経済状況の上下が激しかった、という意味では共通点があるので、興味深く読めた。言ってることも、概ねなら正しいと思うし。後ろ三分の一は説教臭いけどね。


 もっとも、私と彼女で違う点も、当然ながら、ある。


 まず、彼女の育った経済環境の方が上り下りがダイナミックだと思う。

 私んちは、貧乏な時期(小学校後半から中学一杯くらいまで。父親が仕立て職人だった時代)でも就学補助世帯(プチ貧乏。最悪期で当時の年収100万円未満。夫婦共働きでそのくらい)止まりで、豊かな時期(高校・大学時代など)も父親がタクシー運転手だったけど。
 # 分かり難いので、私の親の経済状況を単純化して表にすると。
  私の年齢:0〜3歳  父親の経済状況:職人、景気よし。家を買う
       4〜9歳          景気どんどん悪化。業種丸ごとダメに
       10〜15歳          共働きなのに月収5万円以下の月
                     もザラ。就学補助世帯、プチ貧乏。
         16歳          タクシー免許取得苦戦中。
       17〜24歳          タクシー運転手に転職。比較的豊か
                     年収300万+母親パート代
      (細かい年数は、よく覚えてないので違うかも)

 それに対して西原は、貧しい時期は生活保護の母子家庭(本格貧乏)で、豊かな時期(彼女の中学・高校時代)では父親がタクシー会社の経営者だった。

 つまり、豊かな時同士を比較すると彼女の方がずっと豊か、貧乏な時期同士を比較すると彼女の方がはるかに貧乏。


 次に、上記と関係するのかもしれないけど、彼女の方が生きることに貪欲。上と下を知っているので、上昇志向が強いのかも。ツライ時期が身に沁みたのかしらん。あと、地方出身で東京に住む人の特徴もあるかしら。なんというか、

  西原「生きること(と子育て)が至上の価値で、他の
     全てはほとんどそのためにある」

   私「やりたいことが一番大切で、生きることはそのための単なる手段」

というカンジの違い。私なんか、ヤリタイコトが無くなったり出来なくなったりしたら、生きていても仕方ない、意味がないと思う方だけど(たぶん、私が狭義アセクシャル=性欲・恋愛感情欠落症なことや、人嫌いな面があることが影響していると思う)。彼女(西原)は生きること、それ自体に価値を見いだせるんでしょうねぇ。

 確かに、西原的な考えの人はいてる。現マイミクさんにもいるでしょうし、元マイミクさんにもいてた。そういう人に、自殺念慮を愚痴ったら。
  「自殺念慮があるの?だったら、ハローワークに行くと良いよっ」
  「ハローワークでもダメなら、生活保護とかも考えたら?」
  「こんな仕事が良いんじゃない?」
と明るく返事が返ってきたことがあり、トホホな気分になったっけ。どんなに説明しても、職業の悩みや生活苦と勘違いされてしまう。たぶん、こゆ人は妥当なアドバイスをしているつもりなんでしょうねぇ... まるっきり的はずれなんだけど。どうも、この手の人は、実存的な悩みや自己の存在自体が許せない悩みなんかまったく理解できないみたい。

 西原も、たぶんそういう人だと思う。
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