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転職のため、長年親しんだ札幌からまもなく首都圏へ行ってしまう某マイミクさんがいる。
しばらく離れる北海道を目一杯楽しんでおこうとラストスパートをかけており、今夜帯広での飲み会に参加するついでに、朝6時に札幌を出発して釧路へ昼食を食べにやって来た。
北海道を離れる前に、どうしてもサンマを食べて行きたいと言う。
そこで、釧路までわざわざ訪ねて来てくれるならと、ボクが案内を買って出た。
釧路まで来なくても食べられる塩焼きなんかを食べさせるわけにもいかない。
夜飲みながら、というわけではないので、あれこれ少しずつ何種類ものサンマ料理を味わうことは難しい。
飲み屋以外で、昼飯で釧路ならではの「わざわざ遠くから来てでも食べたい」サンマ料理を案内せねばならず、失敗は許されない。
ところが、昨日の夜から今朝にかけて釧路を低気圧が通過し、海がシケたから、今朝の水揚げはなかったと思われる。
せめて、昨日水揚げされたサンマをきちんと管理して保管していた店で食べなければ、生系だと生臭いサンマが出てきてしまう。
そこで、第1候補として「胡麻秋刀魚」を想定し、マイミクさんと合流してから、まずは釧路市役所前の割烹「醍醐」へ行き、今日あるサンマの鮮度を確認した。
もし、今日はいいサンマがなかったら、第2候補として水揚げ埠頭の「魚市食堂」へ回ろうと考えていたが、まあまあのサンマを仕入れてあった。
そこで、2人揃って「胡麻秋刀魚(750円)」を注文。
まずは、ご飯1杯分は「胡麻秋刀魚」をそのままいただく。
ゴマの香りと甘じょっぱい味付け、さらにサンマの旨味と脂が口一杯に広がり、口に入れてしばらくの間は大地震が来ても逃げられない旨さだ。
そして、ご飯をお代わりして、2杯目は残りの「胡麻秋刀魚」をご飯の上に並べて、薬味を乗せ、その上から熱々の緑茶を掛け、お茶漬けにしていただく。
お茶を掛けると、サンマの身がお茶の熱でサーッと白くなる。
熱が通るのを待って、サンマをほぐしながらかきまぜてサラサラといただく。
こいつがまた旨い。
欲情した美女に「今すぐお願い」と誘われたとしても、「後にしてくれ」と断ってしまうと思うほどだ。
ある意味恍惚の瞬間を楽しめる。
マイミクさんも満足してくれたようだ。
ともかく、この「胡麻秋刀魚」が今週最初のサンマとなったが、これで「'09さんま69.5」になった。
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