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2009年08月20日23:38

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めでたくない話

先日、子供のためにグリム童話の初版本の翻訳を借りてきた。最初の話は、カエルの王子様のお話。日本にも同様の民話があるが、あらすじはこうだ。

池のそばで遊んでいた王女様が鞠を水中に落としてしまいました。そこに醜いカエルがあらわれて言う。「私が鞠をとってきましょう。もしあなたが私をお城に連れて行って、あなたの皿からご飯を食べさせて、同じベッドで寝させてくださるのなら。」王女はぞっとしたが、どうせカエルの言うことだからと見くびって「いいわ。」そしてカエルがとってきた鞠を受け取ると後ろも振り返らずにお城に帰ってしまいました。

でも、王女が食事をしていると、ドアを叩く音が。開けるとそこにはあのカエル。王女はカエルを閉め出そうとするが、話を聞いた王様は言う。「約束は守りなさい。」王女は嫌々カエルと食事を共にする。でも、さすがに床に入る段階になって我慢ができなくなる。そこでカエルを引っ掴むと壁に叩き付ける。すると、あら不思議。カエルは王子様に。こうして、王女様は王子様と一夜を共にした後、その家来と一緒に王子様のお城に連れられていきましたとさ。めでたし、めでたし。

って、ちょっと待て。王女様は約束は果たさなかったんじゃないのか?なんで二人は愛し合ってしまうのさ?これはどう見ても「正しくない」結末だ。「正しい」結末は、王女様は約束を果たして幸せになるか、約束を破って不幸せになるかどちらかでないとならないはずだ。

ご存知の方も多いと思うが、我々が通常読んでいるグリム童話というのは子供向けに水で薄められているもので、原作はとても不条理で残酷でおどろおどろしいところがある。こんなものを子供(だけじゃないのだけど)に聞かせて、昔の人は一体何を教えたかったんだ?
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