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2009年08月16日15:51

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The Times They are a-Changin'

20代警官 ディラン知らず職質
http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=930567&media_id=2

伝説化してしまった人間というのは、次第に現実味が薄くなっていく。
今もボブ・ディランが普通に生きていて、普通に街を歩いてるだなんて、一般市民の僕にはまったく想像できないもの。

たとえば、近くのスーパーでバッタリ出会ったとして。ニンジンやらセロリやらをエコバッグに詰め込んでる有名人がいたとして。
それがデヴィッド・ボウイだったとしても、スティーブン・スピルバーグだったとしても、皇太子だったとしても、酒井法子だったとしても(笑)、ボブ・ディランほどは驚かないだろう。

何度も彼の残した曲を聴き、動いてる映像を目に焼き付け、感動してきた自分だけど。
本人が目の前に現れて、あのしわがれた声で「My name is Bob Dylan」って言っても、きっと信じられないだろう。仮にギター持って歌い出したとしても、「やたらモノマネの上手いジジイだなぁ」くらいにしか(笑)

要するに、現実逃避。
記事にある若者もそうだったんじゃないかな。
いくら若くても、さすがにアメリカ人でボブ・ディランを知らない人なんているはずないもの。

だって、前作の『モダン・タイムズ』と最新作の『トゥゲザー・スルー・ライフ』は、ビルボードのアルバム・チャートで1位を記録。(もちろん史上最高年齢)日本を除く世界の国々でも軒並みナンバー1に輝き、セールス的にも批評的にも大成功を収めている。

日本で言えば、北島三郎が今でも現役バリバリで活躍し、現代に通用するモダンな曲を書き続け、それがレコード大賞を取って若者から絶大な支持を得ているようなものだ。
そんなことのできる人間が他にいるだろうか。

半世紀にも及ぶディランの長いキャリアを見れば、実はこういう「揺れ戻し」は、一度や二度起こった現象ではない。(らしい)
めまぐるしく移り変わっていく時代の中で、たまたまその時代の音と共振した場合に限って、「今度のディランは逆に新しい!」と騒ぎ立てられる。
しかし接点がない時――例えばMTVが猛威を振るった80年代なんかは見向きもされず、すっかり過去の人と化していた。
本人にしてみれば、きわめてマイペースに自分の音楽を追求してきただけなんだから、まったく迷惑な出来事だったに違いない。近年の再評価にしても、むしろ騒がれてウザったいくらいにしか思っていないだろう。

ペンを使って予言する 作家や批評家よ 来なさい
目を見開きなさい
チャンスは二度と来ない
タイヤが回っている間は あまりしゃべるな
それに今の敗者が 未来の勝者になることは 誰にも予言できない
時代は変わっていく


車が動いてる時は、タイヤ交換はできないし、中身を調べることもできない。
モノの価値が分かるのは、いつだってエンジンを止めて動かなくなってから。
昔の価値観にしがみつくのも、慌てて流行を追いかけるのも、同じように愚かだ。
だったら、自分がやりたいようにやれよ。
時代は変わる。
それだけのことだ。
そうだろう?なあ、ミスター・ジマーマン。

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