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2009年03月05日03:05

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ある「隠れ小沢ファン」の告白

■小沢代表、会見で辞任否定…不公正な国家権力行使と批判
(読売新聞 - 03月04日 10:12)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=767714&media_id=20

私は「隠れ小沢ファン」である。

本当は「であった」と過去形にしたいのだけど、今でも小沢氏には妙な期待感を抱いているのを認めざるを得ない。

別に小沢氏の思想とか政治スタイルに共鳴しているからではない。

「反自民」、「反麻生」だからでもないし、民主党に期待しているからでもない。

こんな事件が起きると、やっぱり古い体質の政治家だなとがっかりする。

仮に小沢首相が誕生しても、きっと嬉しくないと思う。

なのに、どこかで期待している。

相当「ねじれた」期待なのである。

ねじれているのは私の性格がねじれているせいもあるけど、それ以上に日本の政治がねじれているからだと思う。

小沢氏に対する期待は、多分に世代的なものがある。

もしこういう言い方が許されれば、我々の世代は「1989年」世代なのである。

1989年というのは、ベルリンの壁が崩壊した年である(天安門事件も起きている)。

それから、バルト三国へのソ連軍の介入、モスクワでのクーデター、ソ連邦の解体、ユーゴ紛争、クウェート侵攻、湾岸戦争などと、次々と劇的な変化が続いていく。

しかも、この頃CNNなんてものができて、世界各地の出来事を生中継してくれる。

前の日記にも書いた通り、世界で大きな変化が現在進行形で起こっていて、何となく自分たちもそれに加わりたいと感じた世代なのである。

こんな期待が満たされないまま今日に至っているわけであるが、その間、
自民党の出世頭であった小沢氏は党を割って、機会あれば政界再編を仕掛ける「危険な政治家」になる。

そのまま自民党に居続ければそのうち首相にもなれたのだろうけど、持論の実践のため敢ていばらの道を選んだのである。

新党を作っては潰す「壊し屋」小沢に半ば呆れながらも、彼の再編に向けた執念には知らず知らずのうちに声援を送っていたような気がする。

バブル世代の過剰な自負心みたいなナショナリズムから距離が置けるようになった今となっては、「普通の国」論に潜む大国主義みたいなものに眉を潜めざるを得ない。

だけど、時代の流れと日本のとるべき道をこれだけ明快に示した政治家は以来お目にかかったことがない。

しかも、今の保守派の論客が怪しげな精神論に頼りがちなのに比べても、小沢氏の論は国際情勢や日本政治の冷静な分析に基づいた現実的なものである。

それだけに侮りがたい。

小沢氏の問題提起が未だ有効な証拠に、今日の日本の漂流感のかなりの部分は、新しい国際秩序の中で日本という国をどのように位置づけていくのかという問いに関する議論が煮詰まらないことから生じている。

それで、米国にそっぽ向かれても困るけど、今回のクリントン国務長官訪日や日米首脳会談みたいにやたら持ち上げられるのも恐い、なんて中途半端な態度しか示せない。

今でこそ野党第一党代表に収まって「生活が第一」なんて言っているけど、先の「第七艦隊」発言でしっぽを出したように、実はいまだに「危険思想」の持ち主。

きっと党首討論を避けつづけたのは、下手にこんな危険な地が出てしまうのを恐れたからじゃないかなんて思う。

今では政権交代のために代表に徹しているけど、きっと本音では民主党政権なんて政界再編に向けた第一歩くらいにしか考えていないんじゃないだろかなんて疑いたくなる。

こんな「危険」な小沢氏に私が期待するのは、保守派の論客としての実力と彼の政界再編への異様なまでの執着に対してである。

米国から自立して「一人前の国」になるという彼の「普通の国」論は一つの保守の軸となる可能性を有している。

そして、同床異夢の人たちの集まりである二大政党を「破壊」するだけの覚悟があるのは小沢さんくらいしか見当たらない。

また小沢さんが無茶をやって、それを起爆剤として政界再編が促されるのではないだろうか、なんていうのが私が密かに抱いている期待なのだ。

我々素人は、ねじれて分かりにくい政治を見るときに、単純な二項対立の構図(「善玉」対「悪玉」、「保守」対「革新」、「右」対「左」、「愛国」vs「売国」などなど)に無理矢理物事をはめ込んでしまう傾向がある。

特に劇場型政治においては政治の内実とは別にイメージが先行して、政治が「善玉」対「悪玉」の構図で提示され、それが無批判に消費されていくような気がする。

それで、自分のひいきの役者は何をやってもいいし、その敵役は何をやってもダメなんてプロレスの応援みたいな政治論ばかりがはびこりがちだ(きっとそれが「劇場」の機能なんだろうけど)。

でも、実際の政治はもうちょっと複雑な「ねじれ」がある。

私にとって小沢氏は「「危険思想」の持ち主だし、最も首相にしたくない政治家の一人なんだけど、同時に、彼みたいな「危険」な人がいない日本の政界はより期待できないものになってしまうような気がする。

だって、「侮りがたい敵」ほど政治にとって大事なものはないじゃん。
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