ミュンヘンの国立美術大学で木彫を学んだポングラッツは、人形が大好きで古いケテクルーゼ人形や、初期のGOETZ社製のサーシャ人形等を蒐めはじめて、1979年から独自のこだわりで人にやさしさを与える人形、子どもに愛される人形作りをはじめます。
ポングラッツは自分の人形を『アーティスト人形』と呼び、「Neue Muenchner Kuenstlerpuppen(新しいミュンヘンのアーティスト人形)」という商標をとっています。人形は日常そばに置いておけるようなものであるべきで、ケースに入れて飾っておくものではなく、手にとって一緒に遊べるものが望ましいというのが彼女の持論。
彼女が力を入れれば入れる程、そして自分の感性を人形の中に表現しようとすればする程出来上がる人形の価格は高くなり、皮肉にも彼女が一番望む子どもたちの手には渡りにくくなったけれど、彼女は人形作りへのかかわり方をかえる事は出来ませんでした。
その矛盾を自覚しながらも、ポングラッツは自分の人形がコレクターの手に渡るより、本物の価値を見抜く力のある子どもたちに遊ばれる事を期待し願い、そして遊びこまれた人形にこそ本当の美しさがあると主張し続けています。
まさにアート、遊べる作品を創るエリザベス ポングラッツの作品のコミュです。