ノーレイジス人達と地球でファントムを倒してから十数年後。
地球ではある異変が起きていた。
地球とはいえ、普通の世界でのではない。
ではどこなのか。それは異世界というところである。人間が現存している世界・・・・現実とは違う世界。並行して存在している並行世界ともちがう。どちらかというと、死後の世界の霊界、神のいる世界の神界のようにあるかどうかも分からないような場所。夢や幻想といったものの集合体のような世界、夢世界(ドリームワールド)。
そこには童話ででてくる赤ずきん、親指姫、白雪姫、桃太郎といった物語のキャラクターがいる世界である。その夢世界が崩壊の危機に陥っていた。今の現実世界ではそういった童話というものを読まなくなったり現実をひたはしるという現実主義者で占められていて、夢の世界の存在が危ぶまれていた。
そんな時・・・・夢の世界では1つの命が生まれようとしていた。
ある豪奢な屋敷に産声をあげた赤ん坊。その赤子はシンデレラという名前がつけられ、それは大切に育てられ--------------
・・・・はしなかった。このシンデレラという赤ん坊、崩壊していく夢世界の歪に落ちていき、行方知れずとなってしまったのである。シンデレラには3人の姉がいたのだが、懸命の捜索がされたが、夢の世界では見つける事が出来なかった。
・・・・となれば・・・・現実世界に--------------
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夢の世界の崩壊が始まって・・・・シンデレラの行方不明から15年後----------------------
地球とは別の惑星の大企業で1つの新規アイテムのテストプロジェクトが始まっていた。出来上がったのは・・・・1つのシャープペンシル程度の長さの柄のハートと羽のついたピンクのかわいらしいペンダント。’希望の虹架’と名付けられたそのアイテムの稼働テストの為、犬型の異星人が地球へと向かっていちゃ。
同時刻。
黄色いブレザーの制服を身にまとった長いツインテールの髪型の少女が学校に登校すべく、道を歩いていた。学校指定鞄を手に真新しいあまりまだ着られていない制服の黄色いフリルのリボンとスカートを揺らしながら登校していた。
少女の名前は紡音シンデレラ。友人にはシーラと呼ばれている。今年星華学園高等部に入学したての高校1年生。
春は出会いと別れの季節とはよくいうが、友人達も一緒に入学していた。星華学園は偏差値の高い進学校。シーラは普通に入学したが、友人たちは補欠合格のギリギリな入学だった。それでも制服が可愛くて有名なこの学校に通うべく勉強した結果がでた。
さて、そんな天才美少女(自称。ただし、中学生の時に何人かの男子生徒に告白されていることから、自称ではないかもしれない)のシンデレラ、実は紡音家の実の娘ではない。どうやら孤児院から引き取られてきたようだ。2歳の時に引き取られ、娘に先立たれた少々年老いた紡音の夫婦はそれは可愛がって育てられた。
しかし・・・・星華学園に通うには・・・・少々割と高い学費を払える程の裕福な家庭でもなかった。貧乏でもなかったが、ごく普通の家庭ではちょっときついし、紡音家からでは星華学園は少々遠かった。
そこで、この春、高校に入学したのを期に、遠縁の親戚のところで下宿させてもらいながら通う事になった。下宿先は鴇神龍刃という20代前半の探偵を生業としている男性の家に居候が決定している。すでに引っ越しも済み、可愛い制服で上機嫌で登校している。
今日はいい天気。雲1つないというものでもなかったが、快晴に近い青空。
今日もいい天気だなと見上げていると・・・・
・・・・おや?何か飛んでいる。白い輝きを放つ何かが。飛行機?それとも流れ星・・・・??
シーラ「いやいやぁ。こんな朝に流れ星も無いっしょ。じゃあやっぱり飛行機?」
と思いながら見上げていると、なにやらシーラの方に飛んできていた。やはり車ほどの飛行機のような何かが。そしてそれは・・・・都立中央公園の方角に飛んで行って・・・・何か大きな音が聞こえる。
・・・・着陸音というよりかは・・・・墜落した爆発音のような・・・・
シーラ「っ!!大変っ!!何なのかは分かんないけど・・・・!!」
シンデレラは中央公園へ走って行った-----------------
それが・・・・シンデレラなだけにシンデレラストーリーの始まりだった--------------------