日本映画維新
「近年、日本映画の堕落ぶりは目に余るものがある。世界は遠くアジアの中ですら、日本映画は凋落した。香港、台湾、中国に凌駕され、韓国映画には止めを刺された感がある。商品性と作品性の両面で、日本映画は敗北しているのだ。
国内の問題は更に深刻である。歴史的に日本映画の主流は大手映画会社にあった。四半世紀以上の低迷を辿り、現在の日本映画はテレビ局主導体制下にある。日本映画は今やテレビ局の植民地状態なのだ。これが時代の趨勢なら、地上波テレビの低落傾向が既に始まっている現実を何とするのか。とは言え、テレビ局の影響力はまだまだ強大であるだろう。しかし、テレビ局に依存しているだけでは日本映画に未来はない。
一方で、未公開のまま百本以上の日本映画が眠っている。その多くは日の目を見ることなく埋没することになるだろう。情けない泥縄を招いたのは、私たち単館系映画の製作サイドだ。日本映画の生命線は作品性にある。メジャーではないからこそ、映画の企画内容を徹底的に吟味しなければならない。決して手を抜かず、映画の品質を落とさない。その上で、産んだ映画を世に出すことが製作サイドの最低の義務なのだ。観客を前にすることでのみ映像は映画になるのだから。
荒戸映画事務所は日本映画の未来に一陣の清風を吹かせんと、茲に一角座を興し『ゲルマニウムの夜』を世に問う。願わくば、より多くの観客の心に日本映画維新の志が届かんことを。」
老いも若きも、上野に佇む維新映画は一角座へ。
困ったときには