人身売買はあってはならないことです。
にもかかわらず、世界中の貧しい国々ではいまこの瞬間にも奴隷のように人間が売買され、本人の意思にもとずかない性的労働に従事させられたり、賃金や利益を不当にピンはねする被害があとを絶ちません。
私はこうした人身売買の被害者の救援活動や心のケア、その後の自立生活支援を10年来続けてきました。しかし、やっと苦労してひとりの命を助けてホッとするのもつかの間、また新たな人身売買犠牲者が貧しい田舎から国境を越えて連れられてくるのを目の当たりにし、愕然とするのが現実です。
ではどうしたらこうした人身売買被害を根本からなくすことができるのでしょうか?
人間を売買する行為自体は、貧しい生活から脱出しようとする人びとと安価な労働力を必要とする社会が存在する限り決してなくならないのではないか、と考えています。貿易にアンフェアなトレードとフェアトレードがあったように、人間にもいままでのアンフェアな人身売買とこれから模索すべき「フェア人身取引」があるべきだと考えます。
「フェア人身取引」という命名には若干抵抗がありました。なぜならば、「人身取引」という言葉自体すでにネガティヴなニュアンスを含むからです。しかしながら「人身取引」の実態そのものをまだよく知らない方も圧倒的に多いと思いますので、あえて「フェア人身取引」というやや大胆な呼び方にして「人身取引」の実態も同時に認知してもらおうと思いました。
具体的な活動内容はその都度深めていきます。まずは一人でも多くの皆さんにこの「フェア人身取引」=「フェアヒューマントレード」運動を広めていただき、この世界に生きるすべてのひとは生まれつき幸せになる権利があることを伝えてゆきたいと思います。
読んでくださってありがとう。あなたと出会えて感謝します。。。