ラフマニノフ:絵画的練習曲《音の絵》
Rachmaninov:Etudes-tableaux
「音の絵」は作品33、作品39ともに作曲者晩年の作品であり、ラフマニノフが二度と戻ることのなかったロシアを発ち、アメリカに向かう前に完成されたものである。題名のEtudes-tableauxは"イメージによる練習曲"とでも訳しうるものだ。技術上の問題を克服するための明確な意図を持つショパンの練習曲集とは異なり、実在或いは想像上の出来事、絵画、物語、感情の練習である。
作品33の曲集は当初、9つの作品からなり、1911年の夏に完成されたが、編集者に手渡す前にラフマニノフは3番、4番、5番を取り出してしまった。その後4番は作品39の6番として日の目を見たが、3番と5番は、1947年に発見されて再編入されるまで知られることはなかった。
作品39は9曲でできており、全体として作品33の曲集よりもできが良いと考えられている。最後の1曲だけが長調で書かれている。その他はすべて短調であり、まるで激しい苦痛や悲嘆、絶望と戦っているようである。作曲中ラフマニノフは父や友人であるスクリャービンの死、自身の深刻な鬱病といった日々をおくっていた。
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