■「ヒロシマ・ナガサキ ダウンロード」概要
―記憶の爆心地へ、残された世代が行くアメリカ縦断の旅―
2009年に発足したオバマ政権は核廃絶を訴え、核戦争の危機に瀕するこの世界に、新たな希望をもたらした。一方、その足元では、多くの在米被爆者が、被爆体験を家族や友人にも語ることできず、胸に閉じ込めたまま過ごしている。運命のいたずらで、原爆投下の当事国の米国に移り住んだ彼らは、どのような思いで過ごしてきたのか。
2009年春、メキシコ及びイギリスに在住の元高校の同級生の青年二人が再会し、アメリカ西海岸に移住した被爆者の原爆の記憶を辿っていく旅に出た。被爆者の体験を心から理解できないジレンマを抱えつつも、約一ヶ月をかけて米国を南下し、在米被爆者が抱える孤独や葛藤と向き合った。
本作は、被爆者に向き合い、葛藤する青年の等身大を映し出す。人間の残酷さや非情さに傷付きながらも、在米被爆者の温かい気遣いに救われ、波乱万丈の人生を生き抜いた尊厳に勇気付けられる。旅先で偶然に出会ったユダヤ人収容所の生還者である老婦人から、人類共通の課題として悲劇を語り継ぐ大切さを教えられる。
旅路の末に、二人が辿り着いた答えとは。
2010年アル・ジャージーラ国際映画祭、2010年長崎国際平和映画祭、2010年ワシントンDCアジア大洋州アメリカ映画祭、2010年ベルリンHot Shots 映画祭正式招待作品。
■予告編は、こちらから→ http://
■監督概要:
竹田信平(たけだしんぺい):1978年京都市生まれ。2001年、米国デューク大学卒業後にサン・ディエゴで渡米難民の子供への絵画・写真技術を指導するNPOを立ち上げる。2004年にアメリカ人のリクター、サリバン監督の「最後の原子爆弾(The Last Bomb)」の製作にアシスタントとして携わる。その後、北米・南米在住の被爆者の体験談の収録し始める。ブラジルやメキシコで展示会やメディアキャンペーン等を催すと同時に、国立長崎原爆死没者追悼平和祈念館に在外被爆者の体験談の映像を歴史的資料として寄贈する。2008年には、戦前にメキシコに移住した日本人写真家の一生を描いた「メキシコに最も近い日本(和訳)」を自主製作・監督。
困ったときには