「夏休みになると体重の減る子がいる」
=1日の主な栄養源が給食だけという子どもたちがいます。
教育と福祉のはざまですり落ちていく子供たちが大勢います。
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「なくそう! 子どもの貧困」全国ネットワークは、日本の子どもの貧困解決を目的として、2010年4月25日に設立された個人参加のネットワークです。メーリングリストでの情報発信・共有、相互交流などを中心としつつ、ゆるやかなつながりで運営されています。
中学・高校卒業後、進路が決まっていない若者たちはまだ大勢います。学ぶ場も働く場も得られない若者が実際どれくらいいるのか、正確な人数はわかっていません。一方、不況で子育て中の世代に共働きが増え、希望しながらも保育所に入れない子どもたちは、4万6000人以上もいます(厚生労働省、2010年3月発表)。子どもたち・若者たちに喜びの春は、めぐってこないままです。
「人類は、子どもに対し、最善のものを与える義務を負う」――20世紀のはじめ、国際連盟の総会で採択された「児童の権利に関するジュネーブ宣言」は、まさに「子どもの世紀」の幕開けとなるものでした。そして、「子どもの最善の利益」を共通の目標として、成長・発達する存在である子どもの幸福追求権を保障するために、国際的な取り組みが進められてきました。
しかし、その後の社会経済の進展は、平和で平等な社会の進展には結びつかないばかりか、多くの子どもから夢を奪うような現実となって、子どもの暮らしをおびやかしています。2007年の国連総会では、「子どもが経験する貧困は、子どもの権利条約に明記されているすべての権利の否定と考えられる」として、貧困にさらされる子どもを生み出す現代社会に警鐘を鳴らしています。
2009年は、国連で「子どもの権利宣言」が採択されてから50周年、子どもの権利条約採択20周年という子どもの権利実現にとって、大きな節目の年でした。そしてその年、日本政府は、はじめて子どもの貧困率とひとり親家庭の貧困率を公表したのでした。
私たちは、子ども・若者たちと社会の将来を見据え、2010年を「子どもの貧困解決元年」としようと、決意しています。10年後、私たちは、多くの「子どもの貧困」を解決し、子どもが安全に安心して意欲をもって育つことができ、そしてそこに、子ども・若者たちに信頼される社会があることを思い描いて行動していきます。
私たちは、政府が子どもの貧困率の削減目標をつくり、子どもの貧困をなくすための具体的な計画を立てることを求めていきたいと思います。そして、相対的貧困率という一つの指標・数値だけでは見えてこない子どもの貧困の実相を、領域横断的な視座やひとりの人間の一生といった時間的継続的な視座からも明らかにする努力を重ねていきます。
きょうここに、「子ども・若者『学びの平等宣言』」を作成し、若者たちが参加しているように、子ども・若者たちを主人公に、声をあげにくい子どもたちの声に耳を傾け、取り組みをすすめていきましょう。
私たちは、子どもの貧困のない社会、子どもの貧困を放置しない社会をつくることをめざします。行政と市民、国と自治体、NPO・団体と個人などそれぞれの領域・持ち場から、子どもたちの暮らすそれぞれの地域から、手を取り合って、取り組みをすすめていきましょう。
私たちは、このネットワークが、その要となり、つながりをつくり広げる場、発信していく場になることを願っています。
困ったときには