この映画が好きな人
村上たかしの漫画『星守る犬』が西田敏行主演で映画化されることになり、8月中旬北海道名寄市にてクランクインした。
本作は昨年2009年に発売されるやいなや、各メディアに取り上げられ大きな反響を呼び、子供からお年寄りまで幅広い層から絶賛の声が挙がり、31万部を売り上げた大ヒットコミックの映画化。山中に放置された自動車から中年男性とその飼い犬の遺体が発見され、身元不明の遺体を引き取る市役所勤務の青年が調査を開始し、ふたりの旅を明らかにしていく、涙なしでは読めない感動作だ。
クランクインの場所となったのは、書店でも印象的と話題になった原作コミックの表紙“ヒマワリ畑の中のハッピー”を撮るため、東京から北上すること1000キロ以上に及ぶロケハンの末に辿り着いた40万本の咲き乱れるヒマワリ畑。
主人公の「おとうさん」を演じるのは『釣りバカ日誌』シリーズをはじめ、数多くの作品で圧倒的存在感を魅せる日本のキング・オブ・コメディ・西田敏行。久々の泣ける作品の主演に「原作を読んで、無償の愛を注いでくれる犬(ハッピー)と旅をして、人生の終着点に向かっていく話ですが、寂しさ・切なさ・愛おしさで、漫画なのに泣いてしまいました。この「おとうさん」という役は、ごく平均的な中年・老人像なので、コメディと違いアドリブのやりようがなく、没個性というか、逆に至難の業で、最近の自分にはユニークな役でやりがいがあり、クリエティブな気持ちを触発されました。ご覧の通り、ハッピーとも、もう心が通じ合ってるでしょ!」と、撮影初日を迎え、もう一人の主人公・ハッピー(秋田犬)とじゃれ合いながら、穏やかにかつ熱く語った。
脇を固めるキャストは、身元不明の遺体を引き取り、おとうさんとハッピーの旅路を調べる事になる市役所福祉課の青年・奥津に玉山鉄二。ひょんな事から奥津と出会い、無理やり奥津に同行する少女・有希(ゆき)に川島海荷。ほか、余貴美子、岸本加世子、藤竜也、三浦友和など実力派揃いキャスト陣が心揺さぶるストーリーを魅せる。
監督は『犯人に告ぐ』や『イキガミ』などで、テーマ性のある重厚なストーリーをエンターテインメント作品として昇華させる演出力に高い評価を得ている瀧本智行。「シナリオ制作から半年、ようやくこの日を迎えることが出来ました。ひまわり畑は、全国で5ヶ所を回りましたが、最後に回ったここ名寄のヒマワリ畑が一番原作のイメージに近かったです。原作は、犬と人間の絆の話。ユーモラス・切なさ・心から涙する部分が魅力で、それを体現できるのは、西田さんしかいないと思いました。以前から尊敬している俳優さんで、映画5作目でようやく一緒に仕事ができて、とても光栄です。」と、喜びを隠しきれない様子だ。
本作は“おとうさんとハッピーの旅”とは逆回りに、ロードムービーのごとくロケ撮影を敢行。12月中旬に、再び北海道で冬編パートを撮影しクランクアップとなる。2011年夏に全国東宝系で公開予定。日本中を涙させたコミックスは、来年夏、今度は映画館で沢山の人に感動の涙を流させることになりそうだ。
困ったときには