2010年7月に日本上陸した「HEX BUG nano」(ヘックスバグナノ)」。
12本の足が特徴で、まるでゴキブリか海辺に生息するフナムシのような外見である。1匹(?)だけならまだしも、群れをなす姿は、お世辞にも可愛いとは言いがたい。むしろ、不気味なぐらいだ。
だが、この奇怪なロボットたちが、アメリカではすでに約1000万個を売り上げている大ヒット商品と言うから、驚かされる。
ではいったい、その魅力はどこにあるのだろうか?
その疑問を解く手がかりは、ネット動画の中に見つけることができる。
この「HEX BUG nano」には、「スターターセット」というキットが用意されている。これにはロボットたちが走り回るためのレールと、六角形のフィールドがついている。
つまり、それらを自由に組み合わせることで、自分だけのオリジナルコースを作ることができるのだ。
一見すると、鉄道模型のプラレールに似ているが、大きく異なるのは彼らの走りが予測不能という点。YouTubeにアップされている動画を見ると、その動きはまさに乱雑さの極みである。
あるものはいつまでも同じ場所をぐるぐると回っているし、あるものはコースを逆走して、他のものと正面衝突する始末。
だが、プレイしている子供たちの様子を窺うと、その予測のつかない動きに一喜一憂しているようである。
確かにこの無秩序な動きは、ゲーム性をかなり高めてくれる。今後は「レース」「バトル」「改造・デコレーション」なども視野に入れて展開するらしいが、「HEX BUG nano」のランダムな動きは、誰が勝利してもおかしくない状況を生み出す。チューンアップしたから勝てるというものでもないのだ。
さらに意外なことに(と書くと、開発者の方には失礼かもしれないが)、子供たちはそのリアルな動きゆえに引き込まれているように見える。気味悪がるというよりは(もちろん個人差はあろうが)、本物の昆虫に接する際と変わりないリアクションをしているように思えるのだ。
ちょろちょろ動き回る「HEX BUG nano」を必死で追いかける姿や、無造作にわしづかみにする様子を見るにつけ、少なからず愛着を感じていることが伝わってくるのだ。
とは言うものの、群れを成してうごめく姿には、やはりちょっと・・・
おんなのこには不評かもね
動画はこちら↓
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