マハーバーラタと並ぶインド二大叙事詩。
そして世界三大叙事詩にも数えられています。
この物語は、東洋の文化に多くの影響を与えたといわれ、
世界中の物語の源になったと言われています。
カンボジアのアンコールワットの壁に描かれているのもラーマーヤナであり、そしてインドネシア・バリ島の伝統舞踏ケチャもラーマーヤナの物語を表現しています。
その内容からは多くの、そして多重層の教訓、教え、生き方が読み取れます。
その素晴らしい詩を語り合える場をと、このコミュを立てさせていただきました。
トピはご自由にお作りください。
『要約ヴァ―ルミーキー・ラーマーヤナ』インデックス
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『アディヤートマ・ラーマーヤナ』インデックス
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『シュリーラーマチャリタマーナサ(トゥルシーダース・ラーマーヤナ)』インデックス (掲載中)
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राम――――――――――――――――――――――राम
空の暁の光がぼんやりと明るくなると、ハヌマーンが空から降りてきました。鷹よりも身軽に、ラーマたちの前にひょいと着地したのでした。そして他の猿たちも、ついでそこに到着しました。
ハヌマーンは、自分の経験したことをすべてラーマたちに語ってから、シーターから預かった装飾品を、ラーマに渡しました。それをちらりと見ただけで、ラーマは雷に打たれたように驚き、涙を流しながら、ハヌマーンに言いました。
「勇士ハヌマーンよ。お礼に何を差し上げよう?」
ハヌマーンは答えて言いました。
「何をおっしゃるのです。私はただあなたのお役に立てばよいのです。どうか何でも私に命じてください。」
ハヌマーンは涙で息を詰まらせながら、さらにこう言いました。
「あなたを見ているだけで、私の心は和やかになるのです。あなたは人の中の王です。シーターは女性の中の光です。私は生きている限り、あなた方お二人にお仕えしたいのです。」
ラーマは言いました。
「ありがとう。しかし何か欲しいものがあるなら、遠慮なく言ってくれないか。」
そう言われたハヌマーンが、ふとそばの池に映った自分の顔を見ると、いつの間にか自分の顔が炭のようにまっ黒になっているのに気づきました。尾に火をつけられ、また自らも悪魔の屋敷に火を放ったときに、その火や煙で、自分の顔もまっ黒になってしまったようでした。
そこでハヌマーンはラーマに言いました。
「あなたにお仕えすることよりほかに、この世に気高いつとめはありません。そしてあなたにお仕えしたからこそ、私の顔は真っ黒になったのです。どうかこの名誉の黒い顔が私の子子孫孫まで残り、私の子子孫孫だけは、ほかの猿と違って、皆このような黒い顔をして生まれて来るようにしてください。」
ラーマーヤナ「ハヌマーンの帰還」より――――
困ったときには